フキノトウの素揚げ、タケノコ、タラノメ・・・、我が家で大活躍した揚げ油ですが、そろそろ交換の時期です。


家庭であげる揚げ物って難しいですよねー。


油っこくなりすぎたり焦げてしまったり、なかなか思った通りにいかないものです。




私は煮たり焼いたりは出来るのですが、揚げ物が苦手で秦野に引っ越すまでは、ほとんど揚げ物を作ったことがありませんでした。


採れたての山菜の美味しい食べ方と言えば素揚げくらいしか思いつかず、義母の残してくれた揚げ鍋もあったので、こちらに引っ越してから揚げ物を作るようになりました。


ラードやごま油等、色々試してみましたが、米油を使うようになってからは、私のような初心者でもサックリ揚げられるようになり、揚げ物が食卓に上る回数も増えました。


揚げ油は、使うと酸化して劣化するものなので、定期的に新しい油と交換しなければいけません。


独身時代に揚げ物に挑戦しては挫折していた頃は、油を固めて捨てたり、新聞紙に吸わせて捨てたりしていましたが、前向きに再利用できたら嬉しいですよね。


家に手作り石鹸の材料があったので、廃油石けんを作ってみることにしました。






手作り石けんは簡単だけど難しい

今回初めて石けんを作ってみて、「こんなに簡単なんだ!」という反面、「初めて作るとしたらハードルが高いかも」とも思いました。



簡単なところ

石けんの材料は油、苛性ソーダ、水の3つだけで、それぞれ手順通りに混ぜれば固まって石けんになります。


この「油」をお肌に優しそうなオリーブオイルやパームオイル、ココナッツオイル等、新品の油で作ればお風呂や洗顔に使う「手作り石けん」、油を揚げ油で出た廃油で作れば食器洗い等に使う「廃油石けん」が作れます。


作り方は適切な分量を混ぜて干すだけなので、いたって簡単でした。




難しいところ

劇薬指定の「苛性ソーダ」

苛性ソーダは強アルカリの劇物指定なので、薬局の窓口でも通販でも、購入する際は「譲受書」という書類の記入、印鑑、身分証の提示が必要です。


苛性ソーダは「強アルカリ」なので肌につくと火傷したり、目に入ると失明する恐れがあるくらい強い薬品です。


体に直接触れないよう細心の注意が必要だし、水と反応すると70度前後に発熱し、強い塩素臭のような有毒ガスも発生します。


保管の際も、特に小さなお子様のいらっしゃる場合は、保管場所に細心の注意が必要です。



苛性ソーダと水の分量の計算が面倒臭い

「この数値はこういう意味で、だからこうなんだ」とか、色々考えてしまうと嫌になってしまいます。


私なりに理解した範囲で後ほど計算方法が出てきますが、数値だけ拾って使ったほうが楽かもしれません。



時間がかかる

水分を抜いて石けんとして熟成させるのに、約1ヶ月かかります。


劇薬を扱うし、有毒ガスも出る、計算方法も面倒臭いし時間もかかる・・・。


嫌になってしまうかもしれませんが、初めて自分で作った廃油石けんを使ってみると、ちゃんと泡立つし、驚くほど油汚れが落ちます。


洗った食器の匂いを嗅いでみても廃油臭はしませんが、手の表面はデコボコしているからか、手に少し廃油臭が残ります。


何回か使ってるうちに「これがこの石けんの匂いなのかな」と、手に残る匂いは気にならなくなりました。






水と苛性ソーダの分量を計算する

私たちは、こちらの書籍を参考にしました。




水分量

マルセイユ石鹸の油:水=72:28の比率を参考にしました。


油が72gの場合、水を28g混ぜる計算になります。



苛性ソーダの分量

 米油の苛性ソーダ換算価鹸化率
米油0.13495%


ここで「苛性ソーダ換算価」、「鹸化率」という耳慣れない言葉が出てきます。


「苛性ソーダ換算価」は、数値をそのまま油の重量にかけてあげればいいだけの数字ですが、厄介なことに油の種類によって数値が変わってきます。


私たちの場合は米油なので、例えば米油が100gなら、米油の「苛性ソーダ換算価」0.134をかけてあげると、苛性ソーダの量は13.4gになります。


残念ながら著作権の関係で、他の油の苛性ソーダ換算価を掲載することは出来ません・・・。


「鹸化率」の95%は、苛性ソーダが溶け残らないための保険です。


油と苛性ソーダが反応しきれずに、油の部分が残ってしまう場合、苛性ソーダの部分が残ってしまう場合があるかもしれません。


もともと食用の油は残っても害はありませんが、劇薬の苛性ソーダが残ってしまうと大変なことになるので、あらかじめ「苛性ソーダの分量を5%減らしておきましょう」という数値です。


鹸化率95%は、油の種類が変わっても95%です。


米油100gの場合の苛性ソーダの分量は、


100g(米油) x 0.134(米油の苛性ソーダ換算価) x 95%(鹸化率) = 12.73g


で、12.73gです。


劇薬の苛性ソーダの量はなるべく減らしたいけど、減らしすぎると油が固まらず石けんになってくれない・・・。


難しいところです。






石けんを仕込みます



材料は、

  • 廃油
  • 苛性ソーダ


使った道具は、

  • 計り
  • 牛乳パック
  • 小さめの泡立て器(割り箸、スプーンでも可)


です。


まずは油の分量が分からないと、苛性ソーダの分量も水の分量も分からないので、油を漉して重さを計ります。


今回、私たちの油の分量はちょうど400gだったので、分量も手順も油の分量400gで解説していきます。



水の分量

マルセイユ石鹸の油と水の分量に当てはめると・・・、


油:水=72:28


なので、


400g(今回の油の分量) x 72 /  28 = 156g


で、水の分量は156gです。



苛性ソーダの分量

 苛性ソーダ換算価鹸化率
米油0.13495%


400g(今回の油の分量) x 0.134 x 95% = 50.92g


なので、私たちキリのいいところで、50gの苛性ソーダを使いました。


ちょっとの加減で数グラム多くなったり少なくなったりして、うまく分量を調整できないこともありますが、あんまり足したり引いたりしていると、うっかり劇薬の苛性ソーダが手に触れてしまうので、数グラムの誤差は気にしません。


それよりも苛性ソーダに触れない方が大切です。




仕込んでいきます

まずは切った牛乳パックに苛性ソーダ50gと水156gを入れて、よくかき混ぜます。


苛性ソーダと水を混ぜると、強い塩素臭のような鼻にツンときてむせる有毒ガスと、70度位の熱が発生するので、私たちは換気扇の下で、フライパンに氷水を入れてかき混ぜました。


温度が高い方が混ざりやすいので、氷水を必ず使う必要はありません。


氷水を使うとしても十分発熱してから氷水に入れます。


換気扇はもちろん「強」で、苛性ソーダ水が手に触れないように気をつけながらかき混ぜます。


見た目で溶け残りがないか見極めるのですが、牛乳パックは白くて見にくいし、真上から見下ろすと、直接有毒ガスを吸ってしまうことがあるので要注意です。


心配な場合はボール等、見やすい容器でかき混ぜてるのもいいし、五分くらいよくかき混ぜて、「混ぜ終わった!」と自分で判断しても良いでしょう。


混ぜ終わったら、最初に測った廃油を入れて、ドロッと固まってくるまでかき混ぜれば最初の仕込みは終了です。


丸い容器だとかき混ぜやすいのですが、牛乳パックは四角いので、下の角の辺りがかき混ぜにくいので、意識してよくかき混ぜます。


どろっと固まったらティッシュで蓋をして、3〜4日寝かせます。






程よく切って干す



3〜4日寝かせたら、牛乳パックの上から触ってみて、そこそこ固まっていたら牛乳パックを剥きます。


まだこの段階では廃油の匂いが強くて、触ると指の跡がつくくらい柔らかいし、表面は水分でベトベトしています。


不安な場合は、もう何日か置いても大丈夫です。


紙パックから出したばかりは、まだまだ水分が多くて柔らかいので、風通しの良いところで一日干してからの方が切りやすいです。


使いやすい石けんの大きさに切ったら、3〜4週間くらい干して熟成させます。


干している間に熟成してまろやかになり、水分が抜けて石けんのもちも良くなります。


まだ柔らかい状態で、日当たりのいいところや温度の高いところに置いておくと石けんが溶けてしまうので、陰干しで風通しのいいところで干した方が安心です。


水分の多い最初の頃は濃い茶色ですが、乾燥と熟成が進むと薄い茶色になって廃油の匂いも弱くなっていきます。






肝心の使い心地



作っておいた廃油石けんで、今回作った時に使った容器と揚げ鍋を洗ってみました。


手作り石鹸は、ボディーソープや市販の石けんに比べて泡立ちにくいものですが、廃油石けんは泡立ちが思ったよりいいです!


油でべったりだったビーカーや容器の油もスイスイ落ちます。


油や細かい揚げカスが沈殿している揚げ鍋・・・、ちょっとドキドキしましたが何の苦もなく油が落ちていきます!


洗い終わったビーカーの匂いを嗅いでみると、廃油の匂いがすることもなく大丈夫です。




手の匂いを嗅いでみると、少し廃油の匂いが残りますが許容範囲です。


これはいいですね。


廃油石けん自体珍しい物ではないし、作ってらっしゃる方もたくさんいらっしゃると思いますが、もともと捨てるはずの油でちゃんとした石けんが作れるなんて、ちょっと感動しました。


やってみないと分からないことって、いっぱいあるものです。


関連記事「手作りマルセイユ石鹸」


関連記事「手作りオリーブオイル石鹸」







2 件のコメント

  • 石鹸作りは、かなり以前から興味はあるんですが…準備が面倒な感じがして、なかなかチャレンジ出来ないでいます😅
    肌があまり丈夫じゃないのでマルセイユ石鹸を使っているんですが、牛乳パック一本分くらいの大きさの物で¥5,000〜6,000位するんですよね💦
    洗顔と体を洗うのに使用していて、一本で買っても4ヶ月位で使い終わっちゃうので🤔
    そのうちコストコのでっかいオリーブオイル買って、作りたいなぁと思ってます😄

    • はは(笑)、同じです。

      嫁もアトピーで1個千円くらいの石けんを使ってましたが、
      「それなら自分で作ったら?」
      と手作り石鹸を始めました。

      来週くらいに手作り石鹸を仕込む予定ですが、出来上がるのに1ヶ月かかるので、
      記事もその位になる予定です。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    風々工房(ぷぷこうぼう) 東京出身のププ(嫁)、山形出身の旦那夫婦でインスタ漫画を描いています。 借金のあったププ母の介護、非正規雇用など色々乗り越えて、2018年に秦野市に移住しました。 社会の歯車から離れて、はたして生きていけるのか実験中です(笑)。 もしよろしければ、これまでのストーリーのインスタ漫画もご覧ください。