菊芋|植え付けから収穫まで

私と菊芋の出会いは古く、血糖値の高かった母に、何かいい食材はないかと探している時に菊芋の存在を知りました。


天然のインシュリンと言われ、血糖値を下げてくれる「イヌリン」という成分を多く含み、ローカロリーなのにお腹が膨れるので、ダイエットにもいいとのこと。


これは母にぴったりと、スーパーや八百屋さんで探しましたが、一般的な野菜じゃないのか、生の菊芋を見たことはありませんでした。


ある日、巣鴨の健康食材のお店に行ってみると、粉末になった菊芋を見つけました。


値段を見てみると、70gで1500円・・・。


当時の母の介護をしていた私たちには、ちょっと手が届きませんでした・・・。


それ以来、すっかり菊芋のことを忘れていましたが、昨年3月、パンチさん宅で生ハチミツ絞りを体験させていただいた時に、菊芋の種芋を頂きました。



頂いた菊芋の種芋
頂いた菊芋の種芋



念願の生菊芋です(笑)。


手にとってみると、見かけも触った感じも生姜のようで、パンチさんがおっしゃるには繁殖力が強いので、放っておいてもよく育つそうです。


家に帰って調べてみると、確かに「要注意外来生物」に指定されているくらい繁殖力が強いようです。


そんなに繁殖力が強いのに、健康食品として粉末にすると70gで1500円・・・。


同じ外来種でみんなに嫌われているセイタカアワダチソウも入浴剤にすると高価になるので、市場価値というのは不思議なものです(笑)。


頂いた種芋を早速植えてみます。


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植え付け〜台風襲来



昨年4月に、ビョーンと出ている芽のような部分が少し土から出るように植えてみました。


「驚異の繁殖力」とのことなので、どこまで地下茎が広がるか想像がつかなかったので、場所は庭の隅のブロック塀の側です。


ブロック塀が影になるので、日当たりもそんなにいい場所ではありませんでした。





6月くらいでしょうか、せっせと枝豆についたカメムシを取っていると、見覚えのない、アマランサスよりもいかつい草というか、幹の太さから見るとちょっとした木のような作物が生えています。


枝豆やオクラ、アマランサスにはカメムシ、芋虫、カタツムリ等、色々寄ってきて、毎朝の害虫駆除が日課でしたが、菊芋の葉っぱは美味しくないのか、全く虫も寄ってきません。


放っておいても見るたびに巨大化し、あっという間に私たちの身長を超え、8月には2m以上に成長しました。


「このまま大きくなり続けたらどうしよう」と心配するぐらいでしたが、 そこが限界だったのか、上に伸びる成長は止まったようです。


ただ、背丈が高すぎてバランスが悪く、強い風が吹くと右に左に大きく揺れるので、麻ひもで柵に固定するよう縛っておきました。


確かに菊芋は何もしなくても勝手に大きくなってくれるし、害虫もつかないし、手のかかからない作物ですが、唯一の弱点は自分の体を支えきれないほど大きくなるところかもしれません。




9月の台風15号で、我が家の絹さやは支柱ごと倒れ、、アマランサスもグーンと曲がってしまい、軒並み背の高い作物は被害にあいましたが、中でも菊芋は根元から倒れてしまいました・・・。


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倒れた根元を調べてみると、体の大きさに比べて根は浅かったようで、頑張りすぎないで倒れたのか、折れてはいないようです。


とりあえず起こすだけ起こして麻ひもで結び直し、先端を1mくらい剪定して風で倒れないようにしました。


絹さや、アマランサスも同じように復旧したのですが、倒れる前の元気を取り戻せませんでしたが、菊芋だけは起こして剪定した時から外見が変わらず、元気なのかどうかも分かりませんでした・・・。


かろうじて10月の台風を乗り切ってホッとしている頃、黄色い大きな花を咲かせました。


久しぶりに菊芋が見せてくれた、生きている証拠だったので嬉しかったです(笑)。


どうやら、この花の形が菊の花に似ているので「菊芋」と言うそうです。







いよいよ収穫



菊芋の収穫は晩秋から冬にかけて、上の部分が枯れ切った頃と言われています。


我が家の菊芋も雨風に耐えて、すっかり枯れ木のようになりました。


一度倒れてしまったし、全体の3分の1くらい剪定してしまったので、果たしてちゃんと菊芋ができているか不安です・・・。


とりあえず抜いてみると、完全に枯れていて根が浅いこともあり、拍子抜けするくらいあっさり抜けました。


抜いた根っこを見てみると、付いてます、付いてます!菊芋が付いてます!


根っこを抜いた穴を、軍手をはめた手で掘り起こすとゴロゴロ出てきます。


掘り起こしたばかりの菊芋を手にとって見てみると、白い皮が薄くて傷つきやすそうです。


金属製のスコップを使うと傷んでしまいそうなので、手で掘ることにしました。


この辺はレンコンや自然薯の経験が生きてきます(笑)。


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深さ50cm、菊芋の根元から直径1mくらいの範囲で菊芋がゴロゴロ出てきます。


菊芋は白いので土の中でも目立つので見つけやすいです。


うっかり残してしまうと、来年庭が菊芋だらけになってしまうので、あらかた掘った後スコップで周辺の土を起こして確認しました。


最終的に、今回の収穫は菊芋50個くらいです。


菊芋は掘り出した瞬間から傷み出すそうなので、1回で食べる量だけとっておいて、長持ちするように残りは土の中に保存します。


水も肥料も与えず、倒されても切られても、1個の種芋から50個・・・、確かにすごい繁殖力、生命力です。


掘り残しもそうですが、土の中に保存した分も忘れないようにしないと、菊芋だらけになってしまうかもしれません。







味噌漬け、ジャーマンポテト、サラダ



菊芋は生でも食べられるそうです。


採れたての菊芋を生でかじってみると・・・、うーん、甘くない梨のようで、ちょっと食べにくい繊維を感じます。


初めての食材なので要領が分かりませんが、とりあえず味噌漬けを作ってみることにしました。


材料は菊芋とお味噌大さじ4、お酒大さじ4です。


お酒は火にかけてアルコール分を飛ばし、お味噌を入れてペースト状にしておきます。


菊芋をタワシで洗ってみると、皮は薄いし表面がボコボコしていて剥きにくそうなので、皮ごと漬けることにしました。





洗った菊芋をジップロックに入れ、お味噌のペーストを入れてよく揉みます。


空気を抜くように最後の2センチくらい残して閉じ、水を張ったお鍋に沈めます。


水圧で押し出された空気をジップロックの空けておいた隙間から逃がし、完全に抜けたところで最後まで閉じます。


こうすると味の染み込みも早いし、よく漬かるのでおすすめです。


そのまま冷蔵庫に一晩置きます。




冷蔵庫を見てみると先日作ったベーコンがあったので、ジャーマンポテトと、生でかじった時は微妙でしたが、せっかくの初菊芋なのでサラダにすることにしました。


ドレッシング作ってしまえば、ジャーマンポテトにもサラダにも使えるので一石二鳥です(笑)。


お酢、オリーブオイル、塩、胡椒でドレッシングを作り、千切りにした菊芋にかければサラダは完成です。


ジャーマンポテトの材料は、

  • 下ゆでした菊芋
  • ベーコン
  • 玉ねぎ半分
  • ドレッシング

です。


ベーコンをカリッと炒めている間、菊芋を下ゆでしておきます。


十分ベーコンから脂が出たところでスライスした玉ねぎと下ゆでした菊芋を入れて炒め、玉ねぎが透明になったところで残りのドレッシングを入れて絡めるように馴染ませれば完成です。


菊芋三昧!
菊芋三昧!



いよいよ初菊芋、どんな味がするんでしょう(笑)。


まずはジャーマンポテトから・・・。


うん、普通に美味しいですね。


茹でた菊芋はホクホクしますが、ジャガイモというより食感は茹でたカブに似てるかもしれません。


クセがないので、どんな食材にも合いそうです。


どうしてもジャガイモと比べてしまうのですが、ホクホク感、甘み、食べ応え等々、菊芋の方が弱いかもしれません。


この辺はでんぷん質が少なくて低カロリーな菊芋の特徴かもです。


普段ジャガイモで慣れている料理を作ってしまったので、公平に見れませんが、何か菊芋ならではの料理を発見できればまた違うかもしれません。


そうは言っても、十分ご飯のおかずになるし、ビールにもよく合います(笑)。




次はサラダです・・・。


うん、シャリシャリして歯ごたえがいいです。


でも、火を通した方が食べやすいし、甘みも出るので美味しいかもですね・・・。


生だとちょっと食べにくいかもしれません。


一度軽く湯がいてからの方がいいかもしれません。


そうなってくると、味噌漬けが心配になってきます・・・。


切っている時はしんなりしていい感じでしたが、お味の方はどうでしょうか・・・。


ポリっとかじってみると、美味しいです!


なんていうか、生の時には感じなかった爽やかさを感じます。


お味噌につけたからか繊維質も感じず、普通にポリッポリッとした食感を楽しめます。


他の野菜の代用品ではなく、菊芋ならではの美味しさを感じます。


お茶漬けに入れても合いそうです。


今回作った中では一番気に入りました。


菊芋、面白いですねー。


生、茹でる、漬けるで風味と食感が随分変わります。


油で揚げても面白いかもしれません。


何しろ味噌漬けが美味しいので、今年は植え付けを少し増やしてみようと思います。


育てるのも楽ですし(笑)。







追記|菊芋チップスと梅酢和え

菊芋の梅酢和えと素揚げ!
菊芋の梅酢和えと素揚げ!



インスタに頂いたコメントで菊芋の素揚げが大好評だったので、早速菊芋を掘り起こしてきました(笑)。


土の中に保存してから10日ほど経つのですが、最初に収穫した時と同じ外観で、指で押してもちゃんと固いです。


菊芋は傷みやすいので市場に出回りにくいというコメントも頂いたのですが、土の中だとある程度鮮度が保てそうです。


半分は千切りにして梅酢和えに、半分はスライスして素揚げにしました。


生だと食べにくかったので、梅酢和えは千切りにして菊芋が浮いてくるまでサッと湯がきます。


結構アクも出たので、これが生だと食べにくい原因の一つかもしれません、


素揚げはスライスして片栗粉をまぶして揚げました。


味付けは塩、胡椒のみです。


さて、大好評の素揚げを頂いてみます・・・。


甘い!甘いです!


ちょっと厚めにスライスしたので、食感はちょっともっちりカリカリな感じです。


ただ、油で揚げて水分が抜けたからか、生の時や茹でた時から想像できないくらい甘いです。


旦那はバナナチップスくらい甘いと言ってましたが、私はそこまでではなく、玉ねぎくらいの甘さかなと思います。


やっぱり火を通した方が美味しいですね。


油との相性が良さそうです。


梅酢和えは・・・、うん、サラダよりも全然食べやすいです。


茹で加減はちょっとアルデンテすぎたかもしれません。


歯ごたえを残そうと、お湯からすぐ引き上げたのですが、もっとしっかり火を通した方がよかったかもです。


パスタやキンピラも薦めて頂いたので、色々試してみます。


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2件のコメント

おはようございます♪
早速、読みに来ました。
菊芋はごぼうの仲間なのだそうです。
名前に芋とつき、見た目は生姜のようなのに、ごぼうの仲間…
なんとも不思議ですね。
これを読むとやはりチャレンジしても良かったのかな…と今更ながら思います笑
また手に入ったらやってみます。
我が家は買ったお店のおすすめで皮ごと軽く茹でて薄くスライスしてぽん酢で和えて食べました。
漬物でもめちゃくちゃ美味しいのでぜひやってみて下さい。

おはようございます!
いつもありがとうございます。
ゴボウの仲間、確かに茹でた菊芋にお塩をつけてかじると、ほんのりゴボウのような香りがしました。

育てるのは楽というか、本当に勝手に大きくなりました。

お漬物は別として、完全に生よりも火を通した方が食べやすかったので、湯がいてポン酢、梅酢、色々試してみたいですね(笑)。

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