先日、5月5日に沖縄、奄美地方で梅雨入りしたそうです。
例年よりも沖縄地方で5日、奄美地方で7日早い梅雨入りとのこと。
今年は暖かくなるのも早かったし、私たちの住んでいる関東甲信越地方でも今年は梅雨入りが早いかもしれません。
随分と昔になりますが、焼肉屋さんのお通しでソラマメをいただいたことがあります。
ソラマメ自体それまで食べた記憶がなく、網の上で焼いて食べると言われてもどのくらい焼いてよいか分からず戸惑っていると、
「外側の皮が真っ黒になったくらいが食べごろよ」
と、店のおばちゃんに教えていただいて初めて焼ソラマメを食べました。
食べてみると、あ、なるほど、茹でた豆とも違って焼き栗のようにホックリとして美味しい。
それまでソラマメを食べたことがありませんでしたが、ソラマメの食べ方としてはこれが正しい食べ方なのかと、それ以来我が家ではソラマメをサヤごと焼いて食べています。
さて、食べて美味しいソラマメ、私調べでは育てるのがマメ科の作物でも一番難しいらしく、正直我が家の畑の地力では無理だろうと今まで避けてきた作物の一つです。
というのも作物、野菜は、実が大きくなるほど育てるのが難しくなる傾向があり、私たちの少ない経験の中でも、ミニトマトは放っておいてもジャングルのように大きく育ち、採っても採っても実をつけてくれましたが、ちょっとミニトマトよりも大きい中玉トマトにした途端、実付きは悪いし、なかなか赤くならないし、結局収穫も少なかったという苦い経験があります。
本来マメ科の作物は多少土壌が貧弱でも発芽率はいいし、日光さえあれば育ってくれる上に土も肥やしてくれるという、私たちのような家庭菜園初心者の味方のような作物ですが、ソラマメの場合ちょっと勝手が違って、マメ科の中でも一番実が大きいので、ある程度肥えた土壌じゃないとちゃんと育ってくれないとのこと。
我が家のように肥料を使わない自然農法にチャレンジしている場合、最初からハードルが高そうです・・・。
かと言って、過度に肥料を与えてしまうとツルボケ(ソラマメにはツルがないので微妙なところですが)という、葉っぱや茎だけが大きくなって実ができない現象や、アブラムシを大量に呼び寄せてしまったりと色々弊害があるそうなので、私たちのような初心者には難しいデリケートな作物という印象です。
一昨年、冬越し野菜の絹サヤを成功させて、初めて春先の収穫のありがたみを知り、もっと種類を増やしたいと計画していたのですが、私達の庭で育てられそうなの作物は種類が限られていて、色々悩んだのですが、思い切ってソラマメに挑戦してみようと思ったのが昨年秋のことです。
自分で野菜を育てるようになるまで知りませんでしたが、タネにも寿命があり、比較的大きいマメ科のタネは種類によって1年〜3年、ナスやトマト等の小さいタネで4年〜5年とのことですが、ソラマメの寿命は10年と、驚異的なタネの生命力です。
一説によるとソラマメは最古の栽培作物とも言われているようなので、色々調べてみると我が家の土壌でも育てられるような気がしてきました(笑)。
選んだ品種は「河内一寸蚕豆」という、大粒の晩生種です。
届いたタネ袋を開けてみると、乾燥したソラマメそのものの大きなタネが7つしか入っていません。
なかなかの高級品なので、是非とも成功させなきゃです(笑)。
昨年10月18日、絹サヤ、ライ麦よりも2週間早いタイミングで植え付けました。
埋める深さはタネの2倍くらいの深さでしょうか、上から土をかけた後はタネと土がよく密着するように足でギュッギュと踏みます。
タネを植えた上から足で踏むなんて乱暴に見えますが、確かに足で踏むようになってから発芽率が上がりました。
ソラマメの実ができるまで
作物、野菜によってタネの大小がありますが、小さいタネは発芽しても芽自体が小さく、私達のように雑草を刈らずに育てる場合、発芽しても気付かず、いつの間にか溶けるようになくなっていることはよくある話です。
その点マメ科のタネは大きいので、発芽した双葉も大きく、最初の弱々しい段階でも、もともと持っていたタネの養分を吸って大きくなってくれるのか、だいたい順調に育ってくれるものです。
ソラマメは、そのマメ科の中でも一番タネが大きいので、翌月にはもはや苗と言っていいくらい大きくなりました。
10月に植えて11月、ちょうどその頃は夏の残り香というか、我が家の畑にまだオクラがあった時期で、アブラムシに困っていましたが、つられてソラマメの若苗にもアブラムシが発生しました。
この段階で害虫にやられてしまうと枯れてしまうので、水で薄めたお酢を霧吹きでかけたりして抵抗しましたがいまいち効果が出ず、悩んでいるうちに冬になり、寒さで自然にアブラムシが消滅してくれたので何とか事なきを得ました。
同じマメ科でもカメムシの好物は枝豆、アブラムシの好物はソラマメとそれぞれ好みがあるようです。
冬の間は天敵らしい天敵もいなくなり、さすがに冬越し野菜ということもあり、寒い冬を乗り越えた後はスクスクと成長してくれて、3月になると可愛い白い花が咲き出しました。
ソラマメの花は咲いたそばからしぼんで散っていくのですが、花びらの散った後にはピョコンと小さい小さいソラマメが顔を出してきます。
ソラマメってこういう風にできるんですねー。
私達の近所ではソラマメを育ててらっしゃる方が多いのですが、今まで遠目でしか畑を見たことがなかったので、ちょっと感動しました。
3月、4月とそのまま天を向くように実が大きくなり、5月に入ると実の重みでサヤがお辞儀をするように地面をむき出したら収穫の合図です。
黒くなるまで網で焼く
絹サヤは採っても採っても翌日生えてきますが、ソラマメは採ったら採ったきりなので、その日に食べる分だけ収穫します。
台所に直行し、コンロの上に網を敷いてチリチリとサヤが黒くなるまで焼けば準備OKです。
ここまでは順調ですが、ソラマメの出来はサヤを開いて実の薄皮を剥いてみるまで分かりません。
サヤを割ってみると、採れたてということもあるのか、水分が豊富というか中身がちょっとグジュグジュするくらいです。
ニュルンニュルンする実を取り出して薄皮を見てみると、外見から想像するよりもちょっと小ぶりな実がチュルンと顔を出します。
あまりにも水気が多いので、本当は一日置いたりして、少し水分を抜いてから食べるのが正しい食べ方だったのではと心配になりつつ食べてみると、あー、美味しいですねー。
実自体ちょっと小ぶりながらも、甘くてソラマメの濃い味がします。
チョコンとお塩をつけていただくと、より味が立体的になって濃く感じます。
そこで冷蔵庫でよく冷やしたビールを一口・・・、あー、ビールに合いますねー。
幸せです(笑)。
実際にソラマメを育ててみると、枝豆は害虫も元気な夏に育つので、毎日がカメムシと戦いでしたが、ソラマメの場合は害虫のいない冬の間に育って春に実をつけてくれるので、むしろ枝豆よりも楽でした。
やっぱり自分で育ててみないと分からないことってあるものです。
タネを7粒植えて7粒ともちゃんと発芽して成長してくれたので、発芽率も100%でした。
出来のいいサヤを種取り用に残し、去年の倍の14粒以上は採種して、秋になったらまた植えてみる予定です。
コメントを残す