さよなら絹サヤ|絹サヤの種取り_サムネ

さよなら絹サヤ|絹サヤの種取り

肥料を入れない、耕さない自然栽培では、地力を肥やして整えるのに時間がかかるので、最初から何を植えても育ってくれるわけではなく、育たないどころか芽を出してくれないこともよくある話です。


かといって何も植えないと雑草だらけになってしまうし、雑草を刈りすぎると土が丸裸になるのでどんどん乾燥し、逆に何も育たない砂漠のようになってしまいます。


肥料の代わりに土を耕してくれるマメ科の作物を植えたり、人間が土を掘り起こして耕す代わりに、地面に深く根を張って土壌を柔らかくしてくれるイネ科の作物を植えながら土の環境を整えつつ、「今度は育ってくれるだろうか?」と、ドキドキしたり期待しながらタネを植えています。


絹サヤ(マメ科)も、我が家にとってそんな作物の一つで、今年で2年目になりました。


固定種のタネを購入して新規に植える場合、最初の年から結果を出すのは難しいことが多いですが、絹サヤの場合は最初の年から発芽率100%でよく育ち、春先は毎日収穫が楽しめたし、春の終わりにはタネがたくさん採れました。


ただ、今考えると植える場所を考えずにタネを残しすぎたのかもしれません。


昨年秋に、冬越しの野菜として自家採種した絹サヤを植えたのですが、自家採種したタネは年々育ちが良くなるということを計算に入れずに、庭の植えられる場所すべてに絹サヤのタネを蒔き切りました。


4月の庭:緑の部分はほとんど絹サヤです
4月の庭:緑の部分はほとんど絹サヤです



おかげで例年春先は殺風景だった我が家の庭も、2月くらいから緑に溢れ、そもそも家庭菜園を始めて以来こんなに庭一面が緑に溢れたことがなかったので、ようやく今までの苦労が実ってきたのかと感動しました。


3月くらいには少量ながらも収穫できるようになり、4月になると毎日ボール一杯分くらい採れるようになりました。


特に雨の降った翌日の朝はワサワサ実っていたものです。


ただ、その頃から絹サヤが育ちすぎて支える支柱が足りなくなり、うまく捕まることができないツルが隣に植えたライ麦に絡みついて倒してしまったり、自分の体重を支えきれずにツル同士がこんもりと絡まり合って団子状になってしまったりと、植えすぎた弊害が少しずつ出始めました。


自家採種したタネは、その場所の環境に慣れて年々発芽率も収穫量も上がると言われていますが、我が家の2年目の絹サヤも、明らかに買ったばかりのタネを植えた最初の年よりも一株一株が大きくなり、ツルも長く伸びるようになったので、その分を計算して株同士の間隔を開けなかったのがよくなかったのかもしれません。


絹サヤの実自体も光合成をするのか、こんもりした絹サヤの表面にできた日光に当たる場所の実は綺麗に育つのですが、こんもりした内側の日の当たらない場所の実は色も薄く変形したりと、その都度こんがらかった絹サヤをクシャクシャしながら日光の当たる外側に出してあげたり、木の枝を支柱がわりにして支えてあげたりしました。


あとは風通しって大切ですねー。


何しろ絹サヤ同士が密集しすぎて風通しが悪いので、暖かくなると害虫のイモムシやヨトウムシが出るようになり、せっかく実ができてもかじられてしまって、ちゃんとした形で収穫できることが少なくなりました。


夏野菜を植えたくても植える場所がないし、いっそのこと刈ってしまおうかとも思いましたが、今刈ってしまうと土が剥き出しになって乾燥してしまうかもしれないし、まだ一応収穫はできるし、このまま自然に枯れるまで待った方がいいのかな等々、クヨクヨ悩んでいました。






5月|いよいよ刈り取り

これから乾燥して秋に蒔きます
これから乾燥して秋に蒔きます



日当たりのいいグリーンカーテンに蒔いたキュウリと、砂利道に植えたトマトは芽を出してくれましたが、絹サヤ密集地帯に無理やり蒔いたズッキーニとトウガラシは、陽が当たらなせいか反応がなく、いよいよどうしようか悩んでいるうちに5月になりました。


5月1日は春の雷雨で、雷はイオンを発生させて土を肥やす雨を降らせてくれるそうなので、これはもしかしたら畑にいい反応があるかもしれないと翌朝期待して見に行くと、絹サヤが老け込んでいます。


4月中は雨の翌日たくさん収穫できたのに、実もほとんどついていないし、全体的に根元の方から黄色くなって元気がありません。


本当に5月になった途端に寿命を迎えたというか、老け込んだ感じです。


細々と収穫できることはできるのですが、変形したり虫に食べられたりしてまともに採れなくなってきたので、いよいよ刈り取ることにしました。


マメ科の根には根粒菌という菌が住んでいて土を耕してくれるので、株を抜かずに根は土の中にそのまま残して根元部分から刈り取ります。


途中、種取り用に残しておいた出来のいいサヤを丁寧に回収し、今年の秋に蒔けるように干して乾燥させます。


刈り取った葉っぱやツルの部分も一旦乾燥させて、このあと緑肥にします。


5月の庭:刈り取ったら寂しくなりました
5月の庭:刈り取ったら寂しくなりました



刈っている時は夢中でしたが、作業が終わって見渡すとなんかガランとして寂しくなってしまいました。


ずいぶん長いこと楽しませてくれた絹サヤともこれでお別れです。


なんだか複雑な心境ですが、これで日当たりのいいスペースが確保できたので、夏野菜第2弾が植えられそうです。


採取したタネを確認すると、大きいタネと小さいタネでだいぶ大きさが違ったり、出来のいいタネ、不恰好なタネと色々あるので、今年の秋は全部を蒔くのではなく、いいタネを厳選して絹サヤ同士が隣り合わせにならないよう、程よい感覚を開けて、ソラマメと交互に植えてみようと思います。



追記|今年は梅雨入りが早い!?

先日(5月11日)に九州南部で、平年より19日早く梅雨入りしたとのこと!


今週末くらいから続々と梅雨入りする可能性が高いとのこと・・・。


ん〜、タネを植え始めてすぐなので心配です・・・。


せめて早く梅雨入りした分、早く梅雨明けして欲しいのですが、そうなると暑い暑い夏が長くなるし、昨年の超長梅雨に続いて、今年の天気も予断を許さなそうです。