前々から欲しい欲しいと思っていた土壌酸度計、今年のクリスマスプレゼントに買ってもらいました!
土壌酸度計というのは、土の酸性度、アルカリ度を調べる器具で、畑の土の状態が数値で分かる優れものです。
我が家の家庭菜園は広さにして8畳ほどと、決して広くないながらも、東側、真ん中、西側で作物の育ち具合が違っていて、例えば日当たりの悪い西側は発芽率が良くても育たなかったり、日当たりのいい東側や真ん中は発芽率も悪く、せっかく芽が出ても、日当たりが良すぎるのか溶けるようになくなってしまったりします。
生えている雑草を見れば、ある程度土壌の肥え具合が分かりますが、逆に作物を植えてみようともしなかった家の周囲の砂利道に、肥沃地に生えると言われているハコベが生えてみたりと、よく分からない現象が起こったりして、一度ちゃんと土壌の酸度を調べてみたいと思っていました。
今回購入したのは、アマゾン、楽天でも評価が安定していた「シンワ測定 土壌酸度計A 72724」という電池がなくても使えるタイプです。
測定できる範囲はph(ペーハー)4.0〜7.0で、ph7.0が中性、数字が低くなるほど土壌の酸度が高く、ph5.0以上で稲や大根、ジャガイモ等々の痩せ地に強い作物が育てられるようになり、ph6.0を超えてくると大体どんな作物でも育てられるようになると言われています。
恵みの雨と言いますが、雨自体は酸性の水分なので、雨が降り注ぐだけでも土壌は酸性になるし、また、土に含まれているアルカリ性を保ってくれるミネラル等も流されてしまうので、何もしていない、特にむき出しの土壌は酸性なことが多いようです。
一般の農業をされている場合は、春先に石灰等を土に混ぜて土壌の酸度を中和して土作りをしますが、私が挑戦している自然農法は雑草の力を借りて土のミネラル分が流れるのを防ぎ、自然に枯れた雑草や作物の根をそのまま地中に残して肥料にしたり中和したりしているので、石灰のような即効性はなく、長い時間をかけてコツコツと土作りをするという、時代に逆行したような気の長い話です。
もしかしたら1周して最先端になるかもしれませんが(笑)。
早速、
- 畑東側エリア
- 畑中央エリア
- 畑西側エリア
の3箇所と、なぜかハコベが生えていた、どうしても気になる「砂利エリア」の4箇所を測定してみたいと思います。
新品の酸度計は、サビ防止なのかコーティングされているそうなので、パッケージ裏の説明書の通りサンドペーパーで地面に挿す先端の部分を軽くサンドペーパーで磨いてコーティングを落とします。
あとは酸度計を地面に挿し、メーターの針が安定するまで30秒〜1分くらい待って計測していきます。
畑東側エリア|ph5.9
石灰も肥料も入れていない我が家の土壌、どれだけ酸性寄りなのかとドキドキして酸度計を挿してみると、ph5.9と、思ったよりいい数値が出てびっくりしました。
我が家の東側エリアの特徴は、日当たりも良く、時間によっては家の周囲を囲っている塀の影もあり、私から見て一番バランスの良いエリアです。
昨年冬に春菊とイタリアンパセリのタネを蒔いてみたものの、発芽はしてもいつの間にか溶けるように消えてしまった魔のエリアでもありますが、春先に肥沃地に生えると言われているヒメオドリコソウが一部に生えてみたり、少しづつ土壌が改良されているのかもしれません。
ちょうど日陰になる塀際にミョウガを植えて3年目経ちますが、毎年倍々ゲームのように株が大きくなり、根っこが絡み合うように混雑して実が採れにくくなっているので、来年は株分けをしてあげる予定です。
日当たりの大好きなトマトと大根は、塀の陰になる時間があるせいか成長が悪い反面、絹さやと空心菜はこのエリアが一番大きくなってくれました。
東側の隅に一昨年から植えっぱなしの菊芋も、今年は昨年以上に花を咲かせてくれたので年明けの収穫が楽しみです。
畑中央エリア|ph5.7
何も遮る物のない中央エリアは、もっとも雨にさらされ、夏ともなると一番直射日光を浴びる我が家で最も過酷なエリアです。
計ってみると、平均ph5.7、場所によってはph5.4と、作物は育てられるもののだいぶ酸性寄りの数値でした。
生えてくれる雑草も、痩せ地〜普通地に生えると言われるカタバミばかりです。
葉っぱがハートの形をしていて可愛いんですけどね(笑)。
昨年は雑草を根元(成長点)から刈ったので、夏になると雑草が枯れて砂漠状態になり、手では触れないほど熱々で、まさしく不毛の地になってしまいました。
今年は春から夏にかけて雑草を根元から5センチほど残す「高刈り」をしたので、雑草を程よい高さで真夏の間も残すことができ、砂漠状態にはならずにすみました。
それでもこの過酷なエリアでは、春菊、イタリアンパセリ等、デリケートな作物は芽も出してくれません。
日当たりがあれば育ってくれるトマト、オクラ、大根等、何しろ強い野菜はよく育ってくれます。
昨年は土壌が砂漠化して、人参の芽は出たものの、出たのは芽だけですぐ全滅してしまいましたが、今年はかろうじて数本生き残ってくれました。でも・・・
「小っさ!!」
抜いてみてビックリしました(笑)。
我が家で人参はまだ早すぎるようです・・・。
大根だけは大小こもごもよく育ってくれるので、美味しいし、冬の今の時期は本当に重宝しています。
畑西エリア|ph6.2
西側エリアは唯一、アジサイやローリエ等の樹木が塀際に生えているエリアで、畑エリアの中で唯一ph6.0以上のph6.2を叩き出してくれました。
ただ、数値と実際に作物を植えてみた実感は全然違うもので、本に書いてある情報だと、ph6.0以上の土壌はどんな作物でも育つ理想的な土壌とのことですが、実際は全然そんなことはありません。
このエリアは樹木が陰になることもあり、日照角度の低い秋冬には、一日のほとんどが日陰の一番日当たりが悪いエリアです。
しかし樹木が雨風や日光から守ってくれるおかげか、春先になると肥沃地に生えるハコベ、ミチタネツケバナ、ヒメオドリコソウ等が生えてくれる数値通りの健康的な土壌ではあります。
ただ作物を育てるとなると話が変わってきて、今までオクラ、ズッキーニ、大根、カブ、からし菜等、色々植えてみましたが、発芽率は他のエリアに比べて抜群にいいものの、日光が当たらないので大きくなりません。
日光が大好きな陽性植物や、半日日当たりが必要な半陰性植物では、たとえ土壌が良くてもちゃんと育たないのかもしれません。
どこに植えてもダメだったイタリアンパセリと春菊はこの日当たりの悪い場所で生き残り、春菊はちょっぴり、イタリアンパセリはすっかり根付いて収穫しても収穫しても生えてくるようになりました。
里芋も東と西の2箇所に植えてみましたが、この西側エリアの方が相性が良かったのか大きくなりました。
今までこのエリアの扱いに困っていましたが、来年はミョウガ、セリ、ミツバ、ニラ等々、日陰を好む陰性植物をこのエリアで試してみたいと思います。
砂利エリア|ph6.3
砂利エリア・・・。
そもそも歩いた時に「ジャリジャリ」音がするので防犯になることと、家の周りの雑草よけのエクステリアとして、小砂利を家の周りに敷き詰めるのが多いそうです。
その砂利エリアに今年の春、肥えてる場所にしか生えないハコベが生えてるのを見つけて以来、どういうことなのかずっと気になっていました。
むしろ、この砂利エリアを調べてみたくて酸度計が欲しかったと言っても過言ではありません。
酸度計を挿してみると予想外のph6.3・・・。
我が家で一番いい数値です。
あんなに色々工夫して頑張っている畑よりも数値がいいなんて信じられません。
半ばヤケになって試しに小松菜のタネをバラマキで上から蒔いてみました。
数週間後、そんなことも忘れたある日、砂利道にこんもりと見覚えのない緑の葉っぱが生えています。
「何だろう?」と見てみると小松菜でした!
畑東側に植えた小松菜と比べても青々と大きく茂っています。
小松菜は半陰性の作物で、半分日陰の場所でよく育つ作物ですが、とは言え、ほとんど陽の当たらない軒下のほうが畑に植えた小松菜よりもよく育つとは、これは一体どういうことでしょう・・・。
そういえばセメントは強アルカリと聞いたことがあります。
小松菜の種を蒔いた砂利道は、ちょうど家の基礎のコンクリートとブロック塀に挟まれている場所で、雨が降るたびにコンクリートのアルカリ成分が土に溶け出して土壌を中和させているのかもしれません。
もう一つ、建物に近い軒下なので雨が直接当たりにくく、土の中のミネラル分が流れ出すのを防いでくれているのかもしれません。
コンクリから染み出したアルカリ成分と考えると複雑な心境ですが、間引きも兼ねて早速収穫して炒めて食べてみました。
根元の方から収穫しすぎたのか、下の方は若干筋っぽいものの、緑が濃くて美味しいです。
スーパーで買った小松菜と比べても味が濃いです。
その後採っても採っても生えてくるので、冬の間緑の野菜に困ることはなさそうです。
正直、畑を酸度計で計った時は、計測した数値と実際に作物を育てている実感が合わずに、「こんなものなのかな・・・」と思いましたが、酸度計云々は別にして、砂利エリアは私のこれまでの努力というか、経験と常識が覆りました。
雑草を生かそうと緑肥にしたり根っこを残したり、色々工夫してきましたが、その後、畑のブロック塀近くの土壌を調べてみると、畑の真ん中よりも数値がよく、コンクリートの方が効果があるのかなと、ちょっと複雑な心境です。
小松菜が半陰性の作物ということもありますが、一生懸命手をかけた畑よりも、何もしてない軒下の砂利道の方がよく育つというのもショックです。
これは家の敷地内に酸度計を挿して色々調べてみなければですね・・・。
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