グリーントマト|ピクルスと醤油麹漬け_サムネ

グリーントマト|ピクルスと醤油麹漬け

朝晩、すっかり冷え込むようになりましたねー。


外ではオルゴールの音を鳴らしながら灯油販売の車が走ってします。


もう11月、ちらほらクリスマスのCMを見かけるようになり、年末の準備が始まったような気がします。


そんな中、夏野菜のはずの我が家のトマトがいまだに元気に青々としています。


長梅雨の影響からか、最盛期のはずの8月はほとんど実がならず、結局トマトソース1回分しか収穫できませんでしたが、その後も本体は枯れることなく普通に花が咲くし、10月に入ると小さいながらも実をつけだしました。


いつまで経っても青々としているし、花も咲く、実もできる・・・、すっかり刈り取るタイミングを見失って11月を迎えました。


ただ、この時期にできた実は大きくなっても待てど暮らせど赤くなりません。


いつまで経っても青いままで、ポコポコ小さい実をつけては花が咲いていきます。


トマトは不死身なのでしょうか・・・。


11月にたわわな我が家のトマト
11月にたわわな我が家のトマト



試しに青い実をかじってみると渋くて、そのまま生で食べられるものではありません。


1個や2個だったら「しょうがないなー」と、諦めもつきますが、何しろ11月の今現在が一番実がたわわに実って、重い実をつけた枝が重みでしなるくらいです。


調べてみると、この時期にできた実は赤くなることはなく、熟していない青い実には「トマチン」という毒性の成分が含まれているとのこと。




そう言えばこの時期、近所の畑では抜いて打ち捨てられたトマトをよく見かけます。


赤く熟したトマトでは感じない苦味成分がトマチンなのでしょうか。


とは言え、我が家で採れた作物は、どんな形であれ、なるべく責任を持って食べてあげたいものです。


昔読んだ本に、青いまま落ちてしまったトマトをぬか漬けにしたら美味しかったという記述があったので、食べられないものでもなさそうです。


残念ながら我が家にぬか床はありませんが、醤油麹ならすぐ作れるし、ピクルスなら色合いもいいし、美味しそうなので作ってみることにしました。






グリーントマトの下ごしらえ



トマチンはジャガイモの芽に含まれる「ソラニン」という毒素と同じような成分で、毒性があると言っても、一度に150キロくらい青トマトを食べない限り、そこまで人間の体に影響はないそうです。


考え方としては銀杏のような感じなのでしょうか・・・。


いずれにしても未完熟の青いトマトをスーパーで見かけることはないわけですが・・・。


収穫してみると、大小合わせて3キロくらいありました。




大きくても小さくても実は硬くて、硬さを例えるとオリーブの実くらいの硬さでしょうか。


試しに割ってみると、断面はちゃんとトマトですが、ゼリーの部分は硬くて少なめで流れ出すこともありません。


小さい実はそのままに、大きい実は小さい実に合わせて切り、渋みが少しでも流れ出てくれることを期待しながら、全体に塩をふりかけて手で揉み、30分くらい放置しました。


30分後、程よく全体に汗をかいたトマトを流水で洗います。


硬いグリーントマトは30分塩につけたぐらいでは、全くへたりません。


ちょっとかじってみましたが、まだまだ渋いですねー。


そもそもグリーントマトを調理するのが初めてだし、こんなに大量のグリーントマトをどうしていいか分からなかったのですが、とりあえず2リットルと1リットルのボトルが空いていたので、ピクルスを2リットル、醤油麹漬けを1リットル作ってみたいと思います。






グリーントマトのピクルス



グリーントマトのピクルスを2リットル分作る機会というのはなかなかないので、材料の分量が参考にならないかもしれませんが、何しろ浸透圧でなるべく渋みを抜いてあげたかったので、通常よりも濃い目のピクルス液を心がけました。


ピクルス液の材料

  • お酢:500cc
  • お水:200cc
  • 砂糖:大さじ8
  • お塩:小さじ2杯半
  • ローリエ:2枚
  • ニンニク:3かけ
  • 鷹の爪:適量


ピクルス液は通常お酢とお水を1:1にしますが、濃い目にするためにお酢をお水の2.5倍、砂糖と塩も気持ち多めです。


翌日、トマトから水分が出て薄く感じるときは、後から砂糖もお塩もボトルの上から足すことができます。


香りづけのローリエとローズマリーは、我が家の庭にあるので使っていますが、なければなくても使わなくてもいいし、他に好みのハーブがあれば代用しても大丈夫です。


今回胡椒を入れるのを忘れてしまいましたが、胡椒を入れても美味しそうです。




ピクルス液の作り方は簡単で、お酢、お水、砂糖、お塩を入れた調味液を一煮立ちさせれば完成です。


あとは香辛料、今回の場合はローリエ、ローズマリー、ニンニク、鷹の爪をボトルに入れたグリーントマトに差し込み、上から粗熱をとった調味液を注げばピクルスの仕込みは終了です。


今回、目分量でお酢とお水の分量を決めたのですが、ピクルス液を注いでみると、ちょうどピッタリの分量で嬉しかったです(笑)。


このまま2〜3日漬け込みます。






グリーントマトの醤油麹漬け



醤油麹は簡単に作れるし、オクラ、ミョウガ等々、漬け込んでおけば旬が過ぎても一年中食べられるので重宝しています。


どうしても醤油の色がついてしまって色味がしょっぱく見えてしまうのが難点ですが、実際食べてみると「旨味」が塩麹よりも強く、見た目とは裏腹に塩分がまろやかに感じるので、我が家でもっぱら塩麹よりも醤油麹派です。




まず醤油麹の作り方ですが、材料は米麹とお醤油だけで、使いやすい容器に米麹を入れ、米麹の表面までヒタヒタになるくらいまでお醤油を入れ、全体をかき混ぜ、麹菌が働きやすいように常温で一晩置きます。


翌日、すっかりお醤油を吸った米麹が立っているので、再びヒタヒタになるくらいまでお醤油を入れてかき混ぜて、とろみが出てきたら完成です。


手作り味噌や手作りビールと似ているのですが、夏場の暖かい時期は麹菌が活発に動いてくれて2〜3日でとろみがつくし、冬場の寒い時期は麹菌の働きも緩やかなので、1週間から2週間くらいかかる場合もあります。


待ちきれなくて途中で食べてしまっても美味しいです(笑)。


グリーントマトに限らないのですが、あとは野菜を醤油麹に絡めれて漬け込めば、醤油麹漬けの完成です。


見かけは醤油色そのもので心配になりますが、塩麹は塩気がちょっととんがっているのに対し、醤油麹は塩分以外のコクがあって美味しいです。






食べてみます



ピクルスは外見上あまり変化はありませんが、醤油麹漬けは光の加減で分かりづらいですが、上の写真と比較するとすっかり水分が上がっている状態です。


2日目に味見すると、どちらもまだちょっと苦味が口の中に残る感じでした。


3日目に食べてみると、苦味がすっかり抜けて、ピクルスはまだちょっと若い感じがしましたが、醤油麹漬けは普通のお新香みたいで、ご飯の時の箸休めにぴったりそうです。


食べてみた感じ、トマトとは全く別物の違う野菜のようで、食感はシャキシャキするものの、例えるのが難しいシャキシャキ感というか、独特です。


ピクルスは、細かく刻めるくらい実がしっかりしているので、ポテトサラダやツナサラダ、タルタルソースや、普通のピクルスみたいにサンドイッチに入れても美味しそうです。


3かけしか入れていないニンニクが、思ったよりしっかり効いています。


何しろ大量に作ったので、食卓に野菜が少ない時、当分重宝しそうです(笑)。


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