明けましておめでとうございます!
お雑煮と言えば地方どころか、同じ地方でも家庭によって味付け、ダシの取り方、具材も違うもので、お餅の形も丸かったり四角かったり、育った背景や文化が色濃く出るものではないでしょうか。
キリリと冷え込む今の時期、自分を寒さから守るために糖分を強くする野菜、特に根菜は甘くて美味しいもので、我が家では毎年鶏ガラベースの塩味に、根菜をたっぷり入れたお雑煮を作ります。
本当は「我が家の雑炊は収穫から始まります!」と、自分の家で採れた野菜だけで作れれば格好いいのですが、なかなか上手くいかないもので、今年具材に出来そうなのは里芋と大根だけでした。
里芋は今回初挑戦で、近所の農家の方に頂いた里芋を昨年6月に植えてみました。
里芋畑の里芋と比べてしまうとスクスクとは言い切れないないものの、なんとか育ってくれ、地面の上の部分もすっかり枯れてちょうど掘り頃です。
初めて里芋を掘ってみましたが、サツマイモと違って、植えた里芋が親芋として大きくなり、その親芋からポコポコと小芋がくっついています。
収穫としては親芋から生えた小芋をパキパキと折る感じでしょうか。
せっかくなので親芋はまた来年も植えてみたいと思います。
毎年チャレンジしている人参は今年もダメでした・・・。
例年、人参はほとんど芽が出てくれず、芽が出ても不思議と溶けるように枯れて消えてしまう人参が、この冬はなんとか数本だけ生き残ってくれ、期待して抜いてみましたが、写真のように残念な人参でした・・・。
大根は自裁採種した我が家の2代目大根で、今年も立派に育ってくれました。
と言うわけで、今年の材料としては自分で作った里芋と大根、スーパーで買ったごぼうと人参、鶏ガラと臭み抜きのネギの青い部分と生姜です。
鶏ガラはクリスマスの後の今の時期、安く購入できるのでチャンスです(笑)。
鶏ガラを炊く
手順としては鶏ガラを炊きながら野菜の下ごしらえをする感じです。
圧力鍋があれば炊く時間としては1時間くらいでしょうか。
圧力鍋に2/3くらい水を張り、鶏ガラを入れて水から炊きます。
まだこの段階では蓋を閉めず、鶏ガラから十分にアクを出しきらせてから、丁寧にそれを取り除いていきます。
ブワーッと湧いてきて火を弱めるとアクもスーッと引っ込んでしまうので、ある程度強火で攻めた方が短時間でアクを取りやすいです。
アクが出なくなったところで、臭み消しのネギの青い部分と、輪切りにした生姜を入れて、1時間くらい炊いていきます。
炊き上がったらザルにザーッと鶏ガラをあけて、スープだけ濾せば完成です。
特に寒い今の時期は、鶏ガラの優しくスーッと全身に染み込む感じはたまりません。
野菜の下ごしらえ
泥付きの里芋は、洗いも皮むきも面倒臭いので敬遠される方も多いのではないでしょうか。
里芋には毛が生えている場合が多く、タワシでこすっても毛が絡まるばかりで洗いようがなく、そこで嫌になっちゃう方もいらっしゃるでしょう。
芋煮の国、山形の秘訣としては、厄介な毛は手でむしるに限ります。
毛さえむしってしまえば普通に洗えるし、洗いがしっかりしていれば皮むきも楽です。
ぬめりがあるので、水、あるいはこの時期だとお湯を掛け流ししながら皮を剥くと剥きやすいです。
自分で収穫した場合、小さすぎて皮も剥けない里芋もあると思いますが、その場合は無理に皮を剥かず、別途蒸して「きぬかつぎ」として食べると美味しいです。
さて、我が家の初収穫の里芋、今年用の種芋の分を抜いてしまうと、正直分量としては少ないものの、皮を剥いてみると雪のように白い、ぎっしり身の詰まったしっかりした里芋です。
ちょっと面倒なのは里芋くらいで、大根、人参はいちょう切りに、ゴボウは鉛筆を削るようにそぎ切りにします。
下ごしらえをした野菜をすぐに使う場合はいいのですが、少し待ち時間がある場合、切った野菜はすぐに色が変わってしまうので、お酢を薄めた水につけておくと安心です。
お餅をのせていただきます
鶏ガラスープに下ごしらえした野菜を入れ、アクを取りながら煮込んでいきます。
煮込む時間は一番火の通りにくいゴボウの機嫌を伺いながら決めます。
ゴボウに火が通ったところで、お塩を入れます。
3リットル鍋パンパンの状態で、小さじ2杯ほど入れました。
入れたばかりは塩分が尖った感じがしますが、しばらく煮込むと野菜たちから水分が出てきて塩分が薄まるというか、まろやかになります。
食べる直前にもう一度味の調整をするのが吉です。
今回は、昨年末に作っておいた柚子胡椒をのせる予定なので、普段よりも薄口にしました。
あとはチリチリと焼けたお餅をのせれば完成です。
さてさて、一年ぶりのお雑煮、上手くできたでしょうか・・・。
お汁の熱いところをフーフー言いながら飲んでみると、あー、これはお餅でもなく具材でもなく、お汁が一番ですねー。
根菜の甘みが強く、その奥の方に鶏ガラの優しいコクを感じます。
フワーンと体に暖かさが広がっていく感じです。
ちょっと上に乗せた柚子胡椒を溶かしてみると、キリッとした辛みと柚子の香りが広がって、全体的な甘さを立体的にしてくれる感じです。
スープだけでもいつまでも飲んでられますね(笑)。
今年も一年頑張れそうです。
番外編|きぬかつぎ
季節によってスーパーで見かけることもありますが、里芋の小芋をきぬかつぎと言います。
皮を剥くには小さすぎるので、蒸して食べるのが一般的ではないでしょうか。
我が家でも今回たくさんきぬかつぎができたので、鶏ガラを炊いている間に隣のコンロで蒸してみました。
蒸したばかりの熱いうちは、皮もつるんと指で剥けます。
オリーブオイルとお塩で頂くと、ねっとり甘く美味しいです。
ビールが欲しくなりますね(笑)。
シンプルなので、里芋の一番美味しい食べ方かもしれません。
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