自分は素直に免許を返せるかな・・・?

実は私、若い頃に高齢者の運転する車に轢かれて左膝の皿を割りました。


当時私は東京の福生市というところに住んでいたのですが、2月の寒い夜の9時頃、横断歩道を渡っている最中の交通事故です。


それなりに広い道路をほとんど渡りきるところで、左側から来た車でした。


私は今でも記憶しているのですが、その車は私が横断歩道を渡っているのを確認した後、逆に加速してきました。


警察の説明ではアクセルとブレーキを間違えたとのことです。


左足を直撃して縁石に顔面からぶつかり、歯が折れて口の中が折れた歯の破片で砂を噛んだようにジャリジャリしたことを覚えています。


救急病院に搬送され、頭のレントゲンを撮って検査した後、なぜか一旦自宅に返されて、翌朝自力で紹介された病院に行きました。


応急処置はしたものの、左足はスイカのように腫れて全身が痛く、電気毛布で体を温めても温めてもショックからなのか全然体が温まらず、寒くてブルブルしながら夜を明かしました。


翌朝足のレントゲンを撮ると膝の皿が割れてるのが判明し、そのまま入院しました。


手術もしましたが、リハビリしても完全には治ることはなく、今でも左足は完全には伸びないし、曲げる事もできません。


山形で嗜んでいたスキーも出来なくなったし、和式のトイレは使えません。


正座が出来ないので、いざという時に恥ずかしい思いもします。


3年間リハビリしても治らなかったので、相手方の保険会社から症状固定の話になり、後遺障害12級になりました。



保険会社は補償をするプロではなく、お金を出さないプロです。


まだ手術前で松葉杖をつき、顔もボロボロの状態、まだ自分の被害の状況もはっきりしない段階で現場検証に行き、そこで初めて相手方の保険屋と会いました。


社交辞令の挨拶もそこそこに、彼が私に言ったのは、


「過失責任は8対1、少なくても9対1にして欲しい、自賠責保険分しか出せない」


でした・・・。


生まれてから、あんなに怒ったことはありませんでした。


その後も自分で交渉していったのですが、車同士なら保険会社間ですが、私は徒歩で私側の保険会社がいなかったので個人で交渉せざるを得ず、百戦錬磨の保険会社が相手で非常に苦労しました。


こんな経験はない方がいいし、もちろんこれからもない方がいいのですが、経験したことのない方々と私の経験を共有するとしたら、交通事故とはこういうものです。




今年に入ってから特に、高齢者の目を背けたくなるような交通事故のニュースが相次いでいます。


親御さんの立場からしたら、お子さんの通学は本当に心配でしょう。


人口が少ない地域では売り上げが立たないので公共交通機関も発達しずらく、自分で移動できる車がないと生活そのものが成り立たないのも理解できます。


かといって今の日本の財政状況では、高齢者のための交通機関に割く予算もないでしょう・・・。


私たちは坂道を登った山の上に戸建てを借りて住んでいるのですが、オーナーは高齢になって横浜のマンションに引っ越したそうです。


私たちも東京から田舎に引っ越して、本来「みんなも田舎に引っ越そうよ!」という立場で漫画やブログを書ければいいのですが、手放しで一方的に田舎暮らしを絶賛することはできません。


当然田舎に行くほど高齢者の割合が増えるので、朝、デイサービスの車が迎えに来て家族が見送ってる風景は東京にいた頃よりよく見ます。


「この辺は老人ホームが多いので高齢者も安心だなー」と思って知り合いになった方に聞いてみたら、入居待ちが200人以上とのことです。


その方は現在73歳で、99歳のお母さんの介護をなさっているのですが、


「この歳で下の世話までするのは本当に辛い・・・」


と仰ってました。


老人ホームに申し込む際、みんな複数の施設に同時に申し込むので、200人待ちとは言え、案外早く順番が回って来るかもしれないのが唯一の希望とも仰ってました。


でも、それって裏を返すと他の方が亡くなるの待つってことですよね・・・。



私たちの今の生活水準は都会では維持できないし、子育てには車の持てる田舎の方がいいかもしれないけど、歳をとったら公共交通機関が隅々まで張りめぐされた都会の方がいいのかもしれないし・・・


自分達にとって何がベストかまだ分かりませんが、「今いるところを楽しみたい!」というのが私たちの漫画とブログなのかもしれません。


ここまで分かった上でも、先日免許更新に行った警察署で見た光景は衝撃的でした。


高齢者ばかりの警察署では、肝心の視力検査はクイズみたいに当てずっぽうで検査になっていないし、足腰もままならない方ばかり。


「足腰がままならないからこそ、車が必要なのかもな・・・。付き添いの方もいらっしゃらないし、本当にこの方達はここまで自分で車を運転してきて、自分で車を運転して帰っていくのだろうか・・・」


駐車場までの帰り道、信号を渡っていたら信号が青なのに「ブー」とクラクションを鳴らされて、ビクッとして車を見ると先ほどの高齢者の一人が運転していました。


結局のところ先日書いた「『老後資金2000万円不足』は誰に対して言ってるのでしょう?」と一緒で、解決策なんて思いつかないので、愚痴になってしまいます・・・。


自分が高齢者になった時、どういう境遇になっているか分からないし、自分の「老い」を認めて素直に免許証を返納できるのかも分かりませんが・・・、交通事故経験者として、他の方に危害や迷惑をかけてしまう可能性を少しでも感じたら、潔く返納できる境遇になっていたいです。