今週になってから、突然秋らしくなってきましたねー。
スーパーに行くと入り口のところに白菜がきれい並べてあったり、栗が大袋で売っていたり、鮮魚コーナーでも北海道の秋ジャケの大きな切り身が並んでいたり、すっかり鍋の季節到来というか、食材も衣替えを始めたようです。
ところ変われば食べる物も変わるもので、子供の頃普通に食べていたものでも、その地域を離れると、「え、それって食べれるの?」と驚かれることもよくある話です。
私の実家では、そんなに頻繁に食卓に上がるわけではなかったのですが、山形では菊の花を食べます。
山形で菊の花を食べる習慣の歴史は長く、有名な松尾芭蕉の奥の細道に、「閑さや岩にしみ入る蝉の声」という俳句がありますが、実はこの俳句は山形の山寺という、その名の通り山の上にあるお寺で詠まれた句で、山形人は非常に誇りに思っています。
その松尾芭蕉が山形滞在中に菊が好きでよく食べていたそうで、小学校の国語の授業で学年が変わるたびに先生が同じ話をしていました。
この山寺は現存していて、山形市民なら小中高と、3回〜4回は遠足に行く定番コースでもあります。

先日、スーパーに行くと見切り品コーナーに山形産の菊の花があったので、懐かしいなーと眺めていると、嫁が、
「菊の花食べるんだー、お刺身のツマにするのかな?」
とのこと。
どうやら東京では菊の花を食べないらしいです。
嫁に山形イズムを刷り込むためにも、久しぶりに買ってみることにしました。
菊の花の下ごしらえ
スーパーでは花そのものがパック詰になって売っていますが、食べる部分は花びらだけで、ガクの部分は食べないので、プチプチ花びらだけむしっていきます。
花びらをガクから外してしまうと痛みやすくなり、せっかくの花の色が悪くなってしまうので、食べる直前に一気にむしって湯がくのがコツです。
すぐに湯がけるように、お湯を沸かしながら作業するのがおすすめです。
むしっているとフ〜ンと菊のいい香りがします。
花粉や蜜があるのか、指先が多少べたつく感じがしますが大丈夫です。
むしり終わったら短時間しか湯がかないので、なるべくグラグラに沸騰した状態のお湯にサッと菊の花びらを入れます。
ほうれん草や春菊と違って菊の花びらは沈んでくれないので、お湯の表面に浮いた花びらの上下をひっくり返しながら火を通していきます。
湯がく時間は1分くらいでしょうか、花びらはお湯に浸った瞬間に火が通るので、手早く上下を入れ替えながら全体に火を通すのがコツです。
全体にしんなりしたら、それ以上火が通らないようにサッと冷水で流し、キュッとおだんご状に絞れば下ごしらえ終了です。
我が家は酢の物で

私の実家ではお醤油をかけるおひたしではなく、三杯酢で作る酢の物で食べていたので、酢の物にしてみます。
分量は適当なのですが、菊の花2パックに対し、
- お酢:大さじ3
- お醤油:大さじ1
- 砂糖:小さじ1
という感じでしょうか。
あとは下ごしらえでおだんご状にした菊の花を和えれば完成です!
菊の花自体、そんなに主張が強いわけではないのですが、何と言ってもシャキシャキというかプチプチというか、歯ごたえがいいです。
ややほろ苦さはありますが、菜の花ほどではなく、春菊等が苦手な方でも全然食べやすい感じです。
一般的にお刺身の薬味のワサビや生姜、ツマの大根、大葉、菊の花等々は殺菌効果や解毒効果が強く、お刺身を食べてもお腹を壊さない効果があると言われているので、菊の花を食べる習慣も、ちょうど季節の変わり目の今の時期、ちょうどいいかもしれません。
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