昨年末、庭をいじっていると近所の方に柿をビニール袋いっぱい頂きました。


庭でとれた柿で、昨年は出来が良かったそうです。


子供の頃、学校の先生に、昔は砂糖が希少で、甘いものといえば柿くらいしかなく、お菓子の元祖は干し柿で「菓子」の語源は「柿」と教わったような気がするのですが、調べてみると確かに和菓子の原型は干し柿だったという説もありますが、お菓子の語源は、漢字から見ても分かるように果物や甘い木の実が語源だったようです。




私個人の思い出としては、スイスのスーパーで柿が「KAKI」として、2個パックで2千円くらいで売られている時は、「海外でも柿は柿なんだ」と、いくら物価の高いスイスとは言え、2個で2千円は高すぎじゃないかと驚いた記憶があります。(ずいぶん昔の話なので、今の物価は分かりません)


さて、頂いた柿ですが、夫婦二人で食べ続けたもののなかなか減らず、袋の下の方の柿が熟しすぎて柔らかくなってきました。


柔らかすぎて干し柿として吊るす事も出来ないので、以前一度失敗した経験のある柿酢を作ることにしました。


たくさん頂いた柿

たくさん頂いた柿



柿酢というのは柿を発酵させて作るお酢のことで、材料は柿だけです。


柿の皮には元々酵母が住んでいて、熟した柿をそのまま放置しておくと、自分の皮の酵母で発酵が進み勝手にお酢になってくれるので、柿以外に麹菌や水分等、何も足す必要はありません。


こんな簡単なのに、以前作った時は消毒が甘かったのか、発酵の途中でカビてしまい駄目になってしまいました・・・。


お味噌もそうですが、発酵食品を作る時は事前の消毒が本当に大切です。


今回はボトルを隅々まで消毒し、ヘタを取った柿を皮ごと入れました。




消毒が大事と矛盾してしまうのですが、柿の皮に住んでいる酵母を生きているまま使うので、柿は水洗いをせずに表面の汚れを取る程度で発酵させます。


特に柿の表面に吹いている白い粉のようなものは、それこそが酵母なので拭き取る事もしないで本当にそのまま使います。


ですので最初の手順としては、

  1. 用意した容器を蓋も含め隅々まで消毒する
  2. 柿の汚れとヘタを取って皮を剥かずに皮ごと容器に入れる

の二つくらいしかありません。


あとは常温で放置するだけですが、特に発酵の最初の方はガスが発生するので、蓋を密閉させずに少し隙間を開けておくといいでしょう。






発酵から濾すまで



今回の発酵は1ヶ月半くらいかかりました。


何しろ柿酢をちゃんと成功させたことがないので、発酵終了の判断は外観と香りで決めました。


柿の実をボトルの中に放置しておくと、自然に柿自身から水分が染み出してきてきます。


柿の実も柔らかくなってきて、スプーンや木ベラでつつくと簡単に崩れるくらいになってくるので、毎日柿の実を崩すようにかき混ぜます。


何でかき混ぜてもいいのですが、必ず事前に消毒してからかき混ぜたほうが安心です。




完全にペースト状になると、ペーストの部分と透明な水分の部分の2層に別れてプクプクと泡を出すようになり、蓋を開けた時フワンとアルコールの香りがするようになります。


さらに毎日かき混ぜていくと、泡とアルコール臭が弱まり、液体とペーストの部分が全体に撹拌され、お酢の香りに変わってきます。


「さあかき混ぜよう!」と蓋を開けると、表面に白い膜のようなものが張ってビックリしてしまいますが、この白い膜はマザー(産膜酵母)と言われる発酵食品(ぬか床等)を作る時にできる副産物で、体に害はないのでそのまま混ぜ込んでしまって大丈夫です。


毎日コツコツかき混ぜて1ヶ月半経った頃、完全にお酢の香りに変わり、分離しなくなったので発酵が終了したと判断しました。


あとはキッチンペーパーで濾せば完成です。


濾す時は無理にギューと絞らず、柿ペースト自身の重みで一晩かけてゆっくり濾し、翌朝キッチンペーパーを茶巾にして重石をかけてさらに一日濾しました。






搾りたての柿酢で酢牡蠣を作る



保存容器もしっかり除菌して、絞った柿酢を入れていきます。


いい色ですねー。


香りもすっかりお酢です。


柿酢は半年、1年くらい寝かせるとまろやかになると言いますが、搾りたてなので味が尖ってるかなと、恐る恐る味見してみると、むしろ普段使っている米酢よりもまろやかで、そこまでキツイ感じでもありません。


立派なお酢です。




柿酢は塩分を体外に排出して血液をサラサラにしてくれるカリウムの含量が、米酢の10倍ほど含まれているそうなので、水も調味料も使わずに柿を容器に入れて置くだけで立派なお酢が作れるなんて不思議です。


柿酢を発見した人はすごいですね。


さて、せっかく作った柿酢、何か酢の物を作って試食してみたいのですが、冬の今の時期の酢の物というと、ダジャレのようで恥ずかしいのですが酢牡蠣しか思い浮かびませんでした。


早速スーパーで牡蠣を1パック買ってきて、三杯酢を作ってみます。


三杯酢の分量は、

  • 柿酢:大さじ2
  • お醤油:小さじ1
  • お砂糖:小さじ1/3

で作りました。


柿酢で酢牡蠣!

柿酢で酢牡蠣!



搾りたての柿酢で作った酢牡蠣を、熱燗と一緒に頂いてみます。


うーん、まったくツンとしたところがなく、牡蠣の風味もあると思うのですが、フルーティな感じがして美味しいです。


昨年作った薬味の柚子胡椒をちょっとのせて食べると、キリッと味が立体的になって熱燗がすすんでしまいます。


やっぱり魚介類には日本酒です(笑)。


1階の部屋は寒いので、キューっと体が温まります。


これは普通に美味しいというか、むしろ普段使っている米酢よリもマイルドな分、牡蠣の風味を邪魔しないので、柿酢で作った酢牡蠣の方が美味しいくらいです。


お金はかかってないけど、贅沢ですねー。


保存も冷蔵庫に入れる必要がなく、お味噌みたいに冷暗所、我が家でいうと台所の棚の下の扉で保存できるようなので、冷蔵庫がかさばらなくていいです(笑)。


この辺りの路地販売で柿を売っている記憶がないのですが、今年の秋はスーパーで買ってでも柿酢を作ってみようと思います。


関連記事「柚子アラカルト」






コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

風々工房(ぷぷこうぼう) 東京出身のププ(嫁)、山形出身の旦那夫婦でインスタ漫画を描いています。 借金のあったププ母の介護、非正規雇用など色々乗り越えて、2018年に秦野市に移住しました。 社会の歯車から離れて、はたして生きていけるのか実験中です(笑)。 もしよろしければ、これまでのストーリーのインスタ漫画もご覧ください。