毎年暑くなるような気がする日本の夏の最高気温、ほんのちょっと前まで1933年に記録された山形の40.8度が日本の最高気温でした。
東京に出てきて、
「今年の夏、暑くない?」
と、聞かれても、
「いや、山形の方が暑いよ」
と、答えるのが私のちょっとした自慢でしたが、2007年に埼玉の熊谷と岐阜県の多治見に、それまで74年間守ってきた日本の最高気温を抜かれてしまいました・・・。
山形というと東北の北の方の県で、そんなところで日本の最高気温を70年以上守ってきたというと、意外と思う方も多いかもしれませんが、山形市は盆地の底の部分に位置しているのが特徴で、比較的狭い範囲で360度山に囲まれています。
山形市内にいる限りは「千歳山」という山がどこからでも見えて目印になるのですが、山形を出てからは目印がないのですっかり方向音痴になってしまいました・・・。
寒暖の差が激しいのが盆地の気候の特徴で、山形の夏はそれはもう暑いし、冬は寒いものです。
そんな日本の四季を濃いめに凝縮したような山形の環境ですが、小さい頃からよく聞かされていたのが、人間の体には冬仕様と春仕様があるということでした。
冬は何しろ寒いので、体も脂肪分をつけたがるし、食べ物も比較的脂質の多い食べ物を欲しがる。
春になると今度は暖かくなってくるので、苦いものを食べて冬の間に溜め込んだ余分な脂肪分というか、カロリーを排出して春仕様にしなければいけない。
今風に言うとデトックスという考え方でしょうか。
そんなわけで子供の頃から春になると苦いものを食べる習慣がありました。
身近なところでは、お正月の七草粥も同じような考え方かもしれません。
今回は春の苦い食べ物、菜の花を使ったグラタンです。
私はスーパーに菜の花が並び出すと「あー春になったなー」とワクワクするのですが、育った環境、文化が違うと食べるものも違うようで、出会った頃の嫁は菜の花が苦くて苦手でした。
いくら説明しても嫌がってましたが、なにやら健康本にも同じような内容のことが書いてあったらしく、合点がいったのか今では菜の花、フキノトウ等の春の苦い食べ物も好きになりました。
材料
まず、グラタンに必要なベシャメルソースの材料は、
- 牛乳
- バター
- 薄力粉
だけです。
私は分量を何cc等計るのが苦手で、牛乳の量は直接グラタン皿に入れて決めました。
グラタン皿に並々と牛乳を注ぐと具材が入った時に溢れてしまうので、具材の分減らした2/3くらいの牛乳の分量にするのがコツです。
バターは一欠片、薄力粉の分量は大さじ1杯半です。
ベシャメルソース以外の材料は、
- 溶けるチーズ
- ニンニク 一欠片
- 玉ねぎ 半分
- ベーコン 適量
- 菜の花 半パック
- 小芋 適量
- パン粉 適量(焦げ目用)
です。
基本的にベシャメルソースと溶けるチーズさえあればグラタンになるので、他の材料はその時あるもの、その時食べたいものに変えても大丈夫です。
小芋でなく定番のマカロニにしてもいいし、アサリやエビの魚介類にしてもいいし、アスパラ、ブロッコリーにしても美味しそうです。
意外なところでは、以前、居酒屋でベシャメルソースのモツ煮を食べたことがあって、美味しかったので今度自分でも作ってみようと思っています。
材料の下ごしらえ
私は「〜をやりながら〜をする」というのが好きなので、今回も一番時間のかかる小芋を茹でている間に下ごしらえを済ませていきます。
小芋の鍋にお塩を適量入れて茹で始めたら、材料を食べやすい一口サイズくらいに切っていきます。
この時オーブンを250度10分にセットして、材料を切っている間にバターをフライパンで溶かしておきます。
材料を切り終わったら、バターにニンニクの香りを移すように弱火でニンニクを炒めていきます。
十分香りが移ったところでベーコンを入れ、火を中火くらいにしてベーコンに焦げ目をつけていきます。
ベーコンに焦げ目がついたところで、野菜を火の通りにくい順、今回は玉ねぎ、菜の花の順に入れて少ししんなりするまで炒めます。
この頃、余熱完了でオーブンが「チーン」となったりしますが、慌てずに小芋に竹串を通して火の通り具合を確認します。
我が家で度々登場する自家製ベーコンですが、燻製に慣れてしまえば簡単に作れるし、具としても美味しい、何よりもいい出汁が出るので欠かせない食材として重宝しています。
ダマにならないベシャメルソース
自分で作るベシャメルソース、手間暇かかっているように見えるし、見栄えもいいのでありがたがられる料理ですが、何しろダマになる・・・。
フルイにかけて作ってもダマになるし、1個1個ダマを潰している間にソースが焦げてしまったり、もう嫌になってしまいます。
缶詰やダマになりにいく「グラタンセット」も売っていますが、ちょっと高い気もするし、そこまで食べたいわけでもないのでなんとなく気が引けてしまうものです。
義母が同居する時に持ってきたミキサー、今となっては形見の一つとなってしまったミキサーですが、これが思ったよりも使えます。
私はそれまで、なんとなく贅沢品のような気がしてミキサーを買ったこともなければ使ったこともなかったのですが、あらかじめ牛乳と薄力粉をミキサーにかけてから火を通すと、全くダマになりません!
野菜ジュースぐらいしかミキサーの使い方を知りませんでしたが、工夫次第で色々使い道があるようです。
グラタン皿2/3くらいづつ牛乳を計りながら入れ、薄力粉を大さじ1杯半入れたらミキサーにかけます。
ミキサーにかけて放っておくと粉が下の方に沈んでしまうかもしれないので、ミキサーにかけたらすぐに先ほど火を通した材料と混ぜ合わせます。
火加減が強いとソースが焦げてしまうので、中火の弱火、ちょっと強めの弱火くらいでゆっくりかき混ぜながら全体的に馴染ませていきます。
火が通ってくるととろみが出てくるので、塩胡椒で味を整えて、ちょっとフツフツしてきたらベシャメルソースの完成です。
写真や文章だと手間暇がかかっているように見えますが、ここまでの作業は15分〜20分くらいだったりします(笑)。
このミキサーをかけるダマにならない方法は、トロミが足りなくても後から粉だけを足すことができません。
何回か作る中で、薄力粉大さじ1杯だとちょっとゆるいし、2杯だとちょっと硬いような気がするので、私たちのグラタン皿の大きさだと大さじ1杯半がちょうどよかろうと、今の分量に落ち着きました。
多少ゆるくても硬くても美味しいので、何回か作りながら好みの硬さになる薄力粉の分量を探し出すのも楽しいものです。
250度のオーブンで10分
今回の私たちの具の小芋をあらかじめ3〜4個並べておいたグラタン皿に、出来立てのベシャメルソースをかけていきます。
小芋やブロッコリー等の固形の具材を大きめに食べたい場合は、ソースに絡めないで、グラタン皿に別盛りにしておいた方が盛り付けしやすいです。
あとはとろけるチーズをたっぷり乗せて、もしあればパン粉を焦げ目用に程よく乗せ、熱しておいた250度のオーブンに10分入れれば完成です。
使った食器やミキサーを洗っている間に10分なんてすぐ過ぎてしまうものです。
我が家では欲しい時に限ってパン粉を切らしていることが多いのですが、グラタンにパン粉を乗せると焼き目も綺麗だし、焼きあがった食感もちょっとサクサクして美味しいです。
今回、マカロニの代わりに小芋を使ったのは初めてだったのですが、ベシャメールソースに使ったバターと一緒になると、そのまんまじゃがバターのような風味でホクホクです。
菜の花とベシャメルソースも合いますねー。
このままパスタにしても良さそうです。
玉ねぎの甘みとベーコンの燻製の香りが全体に回っていい感じにコクを出しています。
今年は暖冬だったので、花粉が飛ぶのも早いでしょうし、苦いものを食べて早めに体調を春仕様にしていきたいと思います。
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