自然栽培も2年目に入り、最初の頃は雑草を生かす意味をよく分かっていなくて、せっせと上の部分を刈っては緑肥にしていましたが、結果、雑草がなくなった土は夏になると砂漠のようになってしまい、肝心な野菜が育てられなくなってしまいました。
肥料も入れない、耕さない、水もやらないと言われても、「そのまま単純にタネを撒けば野菜が育つのか?」と言うと、そう言うわけでもなく、やっぱり作物は養分たっぷりで柔らかい土壌の方が育ってくれます。
と言うか、自分でタネから育ててみて初めて分かったのですが、まず芽を出してもらうのが至難の業です(笑)。
それでは一体、自然栽培の場合はどうやって土作りをするかと言うと、土を改良してくれる作物を植えて、その作物の力で土を耕してもらいます。
我が家の庭の場合、日当たりも水はけもよく、乾燥気味で酸性よりの痩せ地で、それでも育ってくれる作物として絹さや(マメ科)とライ麦(イネ科)を選びました。
マメ科の作物の根には「根粒菌」と言う菌が共生していて土を肥やしてくれ、イネ科の作物は地中深くまで根を張り、土壌を柔らかくしてくれる効果があります。
「本当にそんな効果があるのかな?」と、半信半疑でしたが、昨年春には痩せ地に生えるスギナが庭一面に生えていましたが、今年の春は普通地に生えるミチタネツケバナ、カラスノエンドウ、オランダミミナグサが生えてきて、場所によっては肥沃地に生えるヒメオドリコソウやオオイヌフグリも生えてくれました。
生えてくる雑草の種類で昨年よりも土の質がよくなっているのが見えてくると、もはや雑草も作物も区別なく愛しくなってきます(笑)。
道を歩いて空き地や畑を見かけると、ついつい雑草の生え具合を観察するようになりました。
除草剤を撒かれた空き地は、5月になっても草がほとんど生えず、見たことのない苔のような、何か足を踏み入れるのが怖い不思議な植物が生えています。
一方、我が家の隣の更地になってしまった元雑木林は、工事直後こそ砂漠のようになってしまいましたが、タネがどこからかやってきたのか、元々土に含まれていたのか分かりませんが、5月現在、一面すっかり緑になりました。
観察しているとさすが元雑木林だけあって、肥沃地に生える憧れのハコベがたくさん生えているので、我が家の庭の土と入れ替えたいくらい土が良さそうです。
初心者におすすめ|絹さやとライ麦
人間は弱いもので、結果が出ないと自信がなくなり「あーした方がいいじゃないか、こーした方がいいじゃないか」と、手をかけすぎたり、やらなくていいことまでやってしまいがちですが、絹さやとライ麦は、我が家のように多少痩せ地でもちゃんと育ってくれるので、育て甲斐のある作物です。
とくに「日当たり良すぎ問題」を抱える我が家にとって、日当たりがいい方がよく育ってくれる絹さやとライ麦は、希少な秋冬の作物です。
昨年12月、土壌改良と収穫を期待して庭前面に植えてみました。
今まで春菊、オクラ等々、ほとんど芽を出してくれなくて苦労しましたが、絹さやとライ麦は発芽率もよく、1月の末頃にチョロンチョロンと一斉に芽を出してくれました。
今回選んだ絹さやは「ツルなしタイプ」の品種で、タネの入っていた袋の説明文によると、草丈50センチくらいにしかならない品種のようです。
成長すると2メートルくらいになるライ麦と植えれば、うまく絹さやが巻きついて支えになってくれるかなと思ってましたが、3月に入って暖かくなってくると、ぐんぐん背が伸びて細身のライ麦では支えきれなくなってきたので、結局支柱を立てることにしました。
これも初めて知ったのですが、同じ支柱でも表面が平らでツルツルしたタイプとイボ付タイプの2種類あるようで、ツルツルタイプはひっかかりが弱くて絹さやがうまく巻きついてくれなかったので、イボ付の支柱を使いました。
このイボ付の支柱が功を奏してくれたのか、しっかり巻きついて上に上にグングン成長してくれ、いつの間にか草丈100センチくらいまで大きくなりました!
スイートピーのような可愛らしい花も咲き始め、花が散った後にはちっちゃい実がぷっくりしてきて、4月の中頃には収穫できるようになりました。
最初の収穫はほんの僅かでしたが、日に日に収穫量が増えていきます。
枝豆の経験から、実ができ始めると害虫が心配でしたが、まだ虫が少ない春先と言うこともあるのか全く害虫もつかず、毎日採って採っても次の日の朝にはまた実がついています!
絹さやというとスジを取ってから湯がくものですが、採ったばかりの絹さやは柔らかく、スジを取ろうにも取れません。
そのままさっと湯がいて生姜醤油で食べると甘くて美味しいです。
ライ麦もスクスク伸びて、日当たりのいい所だと2メートルを超えています。
今年に入ってから、何度か台風並みに風が強い日もありましたが、それでも倒れることなくシュッと上に伸び、鳥も細すぎて止まる事が出来ないので、鳥害もありません。
このまま順調にいけば、1個くらいパンが焼けるかもしれません(笑)。
その前に脱穀と製粉をどうするか考えなければいけませんが・・・。
種取り用に残しておいた一番育ちのいい絹さやも、枝豆みたいにパンパンです。
昨年は植え付けが12月になってしまいましたが、今年はまだ暖かさが残る10月下旬頃に、我が家で採れたタネで植え付けしてみたいと思います。
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