自然栽培と梅雨|夏草、冬草_サムネ

自然栽培と梅雨|夏草、冬草

東京に居た頃、私は梅雨が苦手でした。


特に癖っ毛の私は梅雨の時期になると、髪の毛の癖が強く出て鬼のようにボリューミーになってしまい、どんなに家で髪の毛をねかせても外に出ると2倍増し位になってしまうので、本当に憂鬱な時期でした。


人間、住むところが変わると考え方も変わるので、自分で野菜を作り出すと梅雨が待ち遠しくなるので不思議なものです。


私たちが住んでいる周辺の土壌は非常に水はけがよく、どんなに強い雨が降っても翌日晴れると土がカラッカラに乾燥して、水たまりもほとんどできません。


植物も水を欲しているのか、雨が降った翌日には景色が変わるくらい一気に成長します。


私たちが5月と6月に植えつけたタネも、梅雨前は反応しませんでしたが、雨が降るようになってしっかり発芽し、すくすく成長してきました。




菊芋は昨年の掘り残しがあったのか、今年勝手に生えてきました(笑)。


嬉しいのはオクラで、昨年は購入したタネ20粒を、5粒づつ4箇所に植えて発芽して成長したのはたった2株・・・。


本来、成長の良さそうな苗を残して間引きするのですが、何しろ発芽すらしなかったので間引く必要もありませんでした。


今年は去年我が家で採れたオクラから自家採種したタネを植えてみましたが、ほぼほぼ発芽してくれて、1箇所5粒植えて5粒とも発芽したのを初めてみました。


固定種の醍醐味ですね。


これなら憧れの間引きも今年は出来そうです(笑)。


ただ、残念ながら同じく自家採種した枝豆は、タネを採る用に干していた間もひそかにカメムシにチューチューされてしまい、あまりタネの状態がよくなかったからかあまり芽が出てくれません・・・。


これから採種用のタネは、虫のつかない家の中の日当たりと風通しがいいところで干そうと思います。


夏、とくに最近の日本の夏は猛暑で、人間にも作物にも過酷な環境です。


発芽したばかりの苗は弱いので、梅雨の今の時期に夏の暑さがきても負けないくらいしっかり成長して欲しいです。






雑草の天敵は雑草?|夏草と冬草



雑草には夏の時期に生える夏草と、冬の時期に生える冬草があります。


夏草は春に発芽して冬に枯れる雑草で、背の高いイネ科の場合が多く繁殖力が強いです。


冬草は秋に発芽して冬を越し、夏前に枯れる雑草で、アブラナ科やキク科等、背が低くて穏やかな種類が多いです。


自然栽培を始めた最初の年は、「これぞ自然栽培の醍醐味!」と冬草をせっせと刈って緑肥にしましたが、梅雨の時期になると背の高い夏草がどんどん生えてきました。


「これは新しい緑肥を作るチャンス!」とばかりに、せっせと夏草を刈ったところ、地表の温度が火傷するくらい熱くなって、なんの植物も育たない砂漠のようになってしまいました・・・。


それ以来、まず雑草が生えてくれる土を作ろうと、今年の春は冬草を刈っていません。


すると不思議なことに、今のところ我が家の庭には背の高い夏草があまり生えてきません。


一方、我が家の隣の、今年2月に雑木林を更地にして土を掘り起こした空き地は、6月現在、背の高い夏草が一面に生えてジャングルのようになっています。


無肥料無農薬、不耕起で水もあげない自然栽培では、雑草は土も耕してくれるし、土壌の乾燥も防いでくれる相棒で、とくにイネ科の植物は地中深くに根を下ろして土壌を柔らかくしてくれたり、枯れて土に還ると土を肥やしてくれる大事な雑草なのですが、いかんせん背が高いのが難点です。


せっかくタネが発芽してスクスク成長してくれる今の時期に、背の高い夏草がボーボーだと、地表まで日光が届かなくて発芽しないし、せっかく発芽しても繁殖力の強い夏草に負けてしまって成長も難しいです。


道路一本隔てた我が家で夏草が生えないのは、冬草を刈らなかったおかげかもしれません。


冬草を刈ってしまうと、まっさらの敵のいない土壌に夏草のタネが飛んできて思う存分成長するのでしょう。


例えばスギナは今の時期でもよく見ますが、春先はスギナ天国で生えていた場所でも、今は夏草がグングン生えてきてスギナが駆逐された空き地もよく見かけます。


普通の雑草が生えないようなところに生える生命力の強いスギナも、結局夏草には敵わず、6月現在生き残っているスギナは夏草も生えないような場所で生えています。


そういう意味では雑草の天敵は雑草というか、背が高くて繁殖力の強い夏草を抑えるためには、背が低くて穏やかな冬草を残しておくことかもしれません。


現在、我が家の庭にはカタバミがチョボチョボ広がってきました。


一般農業の場合は駆除が難しい厄介な雑草かもしれませんが、カタバミが広がってくれると、地表の乾燥を防いで温度上昇を抑えてくれるかもしれないので、大事にしていきたいと思います。