パンチさんとサワガニの里

秦野市の春は早いです。先週くらいまで落ち葉に落ちた霜柱を、シャリシャリしながら走っていましたが、落ち葉の霜柱はなくなりました。


我が家の隣にある雑木林の梅の木も、ずいぶん蕾が膨らんできたなーっと思ったら、もう花が咲き始めました。


もうすぐ秦野市に引っ越して1年経ちますが、去年と比較しても今年は暖かいですねー。朝晩は冷えこみますが、この1ヶ月くらい昼間は本当に暖かです。


秦野市の南側に千村(ちむら)という散歩するにも、ランニングするにも程よい可愛らしい地区があるのですが、今回はそこにある「サワガニの里」のお話です。



サワガニの里は、いわゆる小さな自然公園です。


秦野市には戸川公園という県が管理している大きな自然公園があり、正式名称も「秦野県立戸川公園」だったりしますが、サワガニの里が特殊なのは、小野薫さんと言う方が、1人で作って、1人で管理してらっしゃる個人の自然公園というところです。


私たちはランニング中、色々な方と知り合う機会が多いのですが、小野さんと出会ったのも、そんなランニング中でした。

 

 

私たちは愛称を込めて、パンチさんとお呼びしています(笑)。


パンチさんといっても、私たちが勝手にパンチさんとお呼びしてるだけで、本を出されていたり、地元や秦野市では、何度も取材を受けてらっしゃる有名な方です。


パンチさんは、板金塗装工場を経営なさっている、生まれも育ちも千村の方です。


とにかくバイタリティーに溢れた方で、この「サワガニの里」もたった一人で、ただただ、みんなを喜ばせたい一心で作られたそうです。


もともとご両親の畑だった土地だそうですが、いつしか休耕地として荒れ果てて、雑木林になってしまった土地を開墾して作り上げたそうです。


これだけの自然公園をお一人で・・・、さぞ何年もかけて作られたのかとお伺いすると、「いやー、3ヶ月くらいで大まかな形は作っちゃったよ」とのこと(笑)。


水や風の流れに逆らわず、自然を生かして作るのをモットーにしていて、完成形というものはなく、常に進化をするよう心がけているそうです。


言われてみれば、ミツバチの巣箱が移動したり、行くたびにちょっとづつ変わっています(笑)。


さて、このサワガニの里、最寄りの小田急線渋沢駅からでも徒歩30〜40分、車で行くにしても駐車場はなく、歩いて行くにしても小さな看板しかなく、「本当にここから入るんだろうか?」と思うような小道を、不安げに歩いて行くとたどり着くという、隠れ家のような場所にあります。



20mくらい登ったところに、山からの湧き水の源流があり、そこから水を引いた小川が流れています。


サワガニの里と言うと、サワガニがザクザクいるようなイメージがありますが、夜になるとイノシシが出て大好物のサワガニを食べてしまったりするので、希少なサワガニです。


冬は冬眠していませんが、暖かくなった頃に小川の石をひっくり返すと、ひっそりと白いサワガニがいます。


私はここに来るまで、白いサワガニを見たことがありませんでした。



同じく湧き水を引いた浅い池があるのですが、パンチさんが蛍を呼ぼうと、コツコツと蛍の餌になるカワニナを放し、何年もかけて6月くらいになると蛍が観れるようになったそうです。


私は東京しか知らないので、蛍を見たことがありませんし、ましてや蛍の餌になるカワニナという言葉を聞くのも初めてでした。


初めてカワニナを見せていただきましたが、小さい巻貝なんですね。


ジャガイモが好物らしく、ジャガイモを与えてカワニナを増やしているそうです。


貝ってジャガイモを食べるんですね・・・、初めて聞くことばっかりです(笑)。




サワガニの里にある遊具もパンチさんの手作りです。


もうちょっとした秘密基地ですね(笑)。


まず最初に目につくのは、土をならして作ったバドミントンのコートで、ラケットも置いてあります。


子供たちが網がわりに水をすくったりするので、折れていることが多いのですが、ボールもあるので、ちょっとしたバレーボールも出来ます。


次に目に入るのが、竹で作った長い滑り台でしょうか。


お尻に敷くプラスチックのスライダーもあるので、上からツーっと滑れます。


昔懐かしい竹馬もあります。


私が一番好きなのは、ハイジに出てくるような長いブランコで、怖くてあまり攻められませんが、自然の中で、ゆっくり空中を漕いでいると不思議な気分になります。

 

 

サワガニの里には、山の斜面や、地面に落ちた落ち葉を掃いて一箇所に集めている場所があり、冬になると落ち葉が発酵して湯気が出ています。


夏前の今の時期、その腐葉土を掘るとカブトムシの幼虫がザクザクいます。


私はデパートやペットショップでしかカブトムシを見たことがありませんでしたが、幼虫ってこんなに大きいんですね。


夏になったら、男の子たちに大人気じゃないでしょうか(笑)。


私は昔の映画が好きです。


例えばチャップリンは、脚本、主演、音楽、編集、全部自分でやっていて、個人のセンスで映画を作っています。


最近で言うと、ウディ・アレンや、クリント・イーストウッドでしょうか。


いっぱいお金や人を費やした超大作映画も面白いですが、個人の作った映画には、超大作映画にはない観かたや面白さがあると思います。


サワガニの里もパンチさん1人で作り上げた、自然と調和した世界観です。


パンチさんの夢は、地元の子供達はもちろんですが、東京や横浜の普段自然と触れ合う機会の少ない子供たちに来てもらって、泥んこになって遊んでもらうことだと仰ってました。


もし秦野にいらっしゃることがあれば、ちょっとサワガニの里まで足を伸ばしてみるのもいかがでしょうか。






4件のコメント

そんな所があったんですね!!
楽しそ〜!!
でも、ドロドロになるまで遊ぶなら、子供を着替えさせる場所など有ると助かりますね・・・
ドロドロになるまで遊ばせるって、親も勇気がいるんですよ・・・

あったんです(笑)。
林間学校をギュッとした感じでしょうか。
ターザンロープや、竹の滑り台。あと、この辺のサワガニは白いんですねー。
「親も勇気がいるんですよ・・・」なるほど、そういうこともありますよね。
着替えをする場所は残念ながら今のところありませんが•••
私は子供の頃泥んこになって遊んでいたので、親は苦労して洗濯してくれたのかなーと思ったりしました。

サワガニがいるって、お水が綺麗で自然が豊かな場所なんですね‼︎
自分が幼い時も実家の近くの山にサワガニがいたり、ザリガニ釣ったり自然の中で遊んでいました😊(今はその山も全て住宅地になっちゃいました)
だから、そう言う自然が豊かな場所があるって凄く貴重だなと思います。
あと、自家製の梅酒って凄く美味しいですよね❤️お隣の無農薬の梅貰えるの羨ましいです😁

このサワガニの里は、もともと川があったわけではなく、パンチさんが山の水を引いて一からご自分で作られたそうです。
今朝もお会いしましたが、山の上に水飲み場を作ったり、いつも何かやってらっしゃいます(笑)。
蛍の幼虫の餌になるカワニナやタニシもはなして、最近は夏になると蛍も観れるそうなので楽しみです。
自家製の梅酒美味しいですよねー(笑)。
私はブランデーリカーと、黒糖の組み合わせが好きです。

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