手もみで美味しい|自分で摘んでスギナ茶作り

東京で生まれ育った私は、秦野市に引っ越すまでつくしを見たことがありませんでした。


道路脇のグリーンベルトで初めてつくしを見つけた時は、


「これがつくしか!」


と、感動しました(笑)。


つくしは形も可愛いし、春の訪れというかみんなに愛されているイメージがあります。


旦那いわく、山形ではつくしのゲタの部分を取ってお浸しで食べる習慣があるそうですが、下ごしらえが面倒で、茹でるとかさが減って割りに合わないのでオススメしないとのことでした。


自然栽培を始めて我が家の庭に生えている雑草を調べていると、「スギナ」という雑草がたくさん生えていることに気づきました。


手にとって見てみると、なるほど杉の葉に形が似ています。




自然栽培の本によると、スギナはやせ地、荒地と言われるとくに酸性が強い土壌に生える雑草で、根っこが1m以上と深く、地域によってが地獄草と言われるくらい駆除が厄介で嫌われている雑草とのこと。


確かにコンクリートのブロック塀のそばや、工事現場、砂利道等々、普通の植物が生えないような環境でもワサワサ生えているのをよく見かけます。


そんなスギナがどっさり生えている我が家の土壌は、酸性が強くて痩せているのかとがっかりしたものです・・・。


我が家の庭に生えるのはスギナばかりなので知りませんでしたが、このスギナ、実はみんなに愛されているつくしと兄弟だと知ってびっくりしました。


つくしもスギナも根っこ(地下茎)は一緒で、つくしとして生えた部分が「胞子茎」で胞子を飛ばして子孫を増やす役割をし、スギナとして生えた部分が「栄養茎」で、光合成をして栄養を作る役割をしているそうです。




ちょうどフキとフキノトウの関係と似ているのかもしれません。


両方とも完全に別の種類に見えるくらい姿形は違いますが、地下茎で繋がっていてそれぞれに役割分担がある・・・。


植物は面白いです。


さて、毎年春になると我が家の庭に大量に生えてきたスギナですが、刈った芝生や雑草を緑肥にしたり、土を肥やしてくれるマメ科やイネ科の作物を植えて土壌改良に努めて3年目の春、スギナの数が減ってきました。


観察しているとその過程が面白くて、例えば今年の春は土壌が肥えている肥沃地に生えるヒメオドリコソウとスギナが共存している場所があったりします。


酸性が強い土壌に生えるスギナと、酸性が強い土壌では生えにくいヒメオドリコソウが一緒の場所に生えている・・・。


一般的に農業をされている方は、酸性寄りの土壌では作物が育たない、あるいは育ちにくいので、石灰等のカルシウムを入れて土壌を中和させてから作物の植え付けをします。


スギナが生えるような酸性が強く痩せた土地は、別の言い方をするとカルシウム分が不足している土地とも言えます。


ところがこのスギナ、スギナ茶を代表する生薬の側面から考えると、ミネラルが豊富で、とくにカルシウムはほうれん草の150倍とのこと。


面白いですよねー。




スギナは、自分でカルシウムを作ることのできる植物なのでしょうか?


スギナとカルシウムのメカニズムはよく分かりませんが、自然栽培の側面から考えると、スギナの葉っぱには大量のミネラル、カルシウムが含まれていて、枯れて土に還る時にミネラル、カルシウムごと土壌に還り、酸性寄りの土壌を中和させてくれる働きがあるそうです。


何か壮大ですよね(笑)。


自分の役割を果たしたら枯れていく、ナウシカに出てくる腐海を連想してしまいました。


肥沃地に生えるヒメオドリコソウと、やせ地に生えるスギナが共存しているのは、ちょうど土壌が変化する途中なのかもしれません。


そう考えるとスギナは駆除せずに放っておくと、いずれ自分の役割を果たして消えていき、普通地の雑草が生えてきて、普通地の雑草が役割を果たすと、今度は肥沃地に生える雑草が生えてきてくれるかもしれない・・・。


自然の循環というか、自然栽培の一端が分かってきたような気がします(笑)。






スギナ茶を作ってみる



農業やガーデニングの側面から考えると雑草は非常に迷惑な存在ですが、人の手を借りなくても自然にワサワサ生えてくる生命力の強い雑草は、昔から民間療法で重宝されてきた側面もあります。


スギナも漢方では『問荊(もんけい)』と言う立派な名前で呼ばれていて、利尿効果が高いことから腎臓病、肝臓病に効果があると言われていたり、カルシウムやナトリウム等のミネラルが豊富なので、自律神経を整えてくれると言われています。


もちろん体に合わない方や摂りすぎは体によくないかもですが、せっかく周りにたくさん生えてるので、スギナを摘んでスギナ茶を作ってみることにしました。




まずはスギナの収穫です。


いつもの散歩道をポキポキとスギナを摘みながら1周すると、あっという間に袋いっぱい収穫できました。


虫や他の小枝が混ざっていないか確認しながらよく水洗いし、天日に干して乾燥させます。


水気があるうちは葉っぱが重なったりして真ん中の部分が乾燥しにくいので、時々ほぐしてあげたりひっくり返したりしてあげます。


今の時期は乾燥しているし風もあるので、2日くらいで乾燥しました。


乾燥した大小様々のスギナを、ミキサー(ハンドブレンダー)にかけて細かく砕けば下ごしらえは終了です。






手もみで乾煎り



ミキサーにかけたスギナをフライパンに入れて、一番弱火で乾煎りしていきます。


乾煎りすると香ばしく風味もよくなりますし、常温で保存する場合、ここの乾煎りでよく水分を飛ばしておかないと、後からカビてしまうことがあります。


一番弱火だと手で触れるくらいのあったかさなので、両手でこすり合わせるようにスギナを揉みながら、下の方が焦げないように時々上下を入れ替えるように乾煎りしていきます。




十分に乾煎りしたスギナは、そのまま急須に入れてお茶の要領で飲むこともできますが、我が家ではお茶パックに5gずつ入れて冷凍庫に保存しています。


実は去年、どくだみ茶をまとめて袋に入れて常温で保存していたらカビが生えてダメになってしまったので、乾煎りをしっかりして冷凍庫に保存するようになりました。


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煎じて飲んでみる



水が半分になるくらいまで煮込んで飲む等々、色々な飲み方があるようですが、私たちの飲み方としては、水1リットルにスギナ5gを入れて、弱火で水から沸かし、5分くらい沸騰させてから飲んでいます。


もう1週間くらい毎日飲んでいますが、普通にお茶として飲めるくらい美味しいです。


よく揉んで乾煎りしたからか、ちょっと玉露に似たコクと言うか甘さがあって、風味としては、以前飲んだことのある「トウモロコシのひげ茶」に似ているかもしれません。


とくに煎れたてが美味しいです。


まだ1週間ということもあり、効用、効果はあまり実感ありませんが、旦那には利尿効果があったようで、お手洗いに行く回数が増えたようです(笑)。


山道を歩く楽しみが一つ増えました。


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2件のコメント

いつも楽しく拝見させていただいております。自然と暮らしてるのにすごい憧れて、見ててすごい楽しいです。わたしにはできないなあと思っています笑。最近更新がなくて寂しいですが、なにかと慌ただしい時期ですので体調に気をつけてお過ごし下さい!次回の更新を楽しみに待ってます☆〜(ゝ。∂)

いつもご覧頂いてありがとうございます!

とりあえず元気にやっています(笑)。

庭仕事に夢中になってる間にご無沙汰になってしまいました。

またポチポチと更新していていくので宜しくお願いいたします。

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