畑の土を柔らかく耕してくれる作物として一昨年はエン麦、昨年はライ麦を植えました。
イネ科の麦類は非常に強く、土壌が酸性寄りで痩せていても、水持ちが悪くて乾燥していても発芽率もいいし、よく育ってくれます。
今年も梅雨前の6月にライ麦を刈り取りました。
ただ、イネ科の作物は食べれる状態までの作業が大変です。
以前、お米の脱穀と精米を体験させて頂いたことがるのですが、量もあったので、機械を使っても半日がかりの作業でした。
素人家庭菜園の我が家には当然機械はありません。
昨年刈り取ったエン麦も、結局どうしていいか分からず、そのまま肥料として庭に放置状態で、スズメが喜んでついばんでました。
今年のライ麦は、庭の場所によって出来不出来はあるものの、ずっしりと実をつけて、もみ殻から中の実がちょっと顔を出したりしています。
ん〜、なんか勿体無い・・・。
もしかしたらパンが1個か2個くらい焼けるかもしれない・・・。
そういえば、ミキサーのオプションでミル機能があったような気がするので、台所の開けたことのない引き出しを開けてみると、ミキサーの付属品のミルがありました!
これなら脱穀さえ出来れば製粉できるかもしれません。
先日作った梅シロップの梅の実で作ったジャムで食べたら美味しそうです。
収穫したライ麦の脱穀から製粉まで
まず、刈り取ったライ麦を十分に乾かします。
晴れた日は外で、雨が降ったら家の中で干すのですが、嵩張らないように穂先だけ切って1週間くらい乾かしました。
ここから脱穀というか実を取り出していくのですが、手で拝むようにすりあわせれば簡単に取れるかなと思ったら、尖った穂先が痛いし、そんなに簡単に取れません。
麦穂の下の方から指で挟んで、グリグリとこそぐように取っていきます。
実付きのいい穂はプチプチと実が弾けるように取れて、「これはコツを掴んだかな?」と思っていると、中には実付きの悪い穂も混じっていて実が素直に取れなかったりして、そういう場合は指先で籾殻をほじくるようにして実を取り出したりと、一筋縄にはいきません。
非常に地味な作業で時間がかかり、写真ではそんなに量が多くないように見えますが、脱穀するのに旦那と二人掛かりで二日かかりました・・・。
脱穀が終わったら、麦の実だけ選別したいので、手のひらに乗せた籾殻混じりの麦の実をサラサラと敷物に落としていくと、軽い籾殻だけ風で飛ばされてきれいに麦の実だけ残ります。
苦労して脱穀した実を計ってみると、2合ちょっとくらいありました。
脱穀した麦の実を、風通しのいい場所でもう一度乾燥させてからミキサーの付属品のミルで製粉していきます。
4回に分けてミルにかけましたが、細かくきれいな粉末にはならずに多少粗挽きな感じになりました。
粗挽きな分、水馴染みは落ちますが、これはこれで食感が変わって面白いかもです。
ライ麦パン|材料を混ぜ合わせてこねる
ライ麦はビタミン、食物繊維が豊富で、私も東京にいた頃は普通の白いパンよりも健康的な気がして、ライ麦パンをよく買っていました。
ただ、不思議とライ麦100%のパンはない・・・。
調べてみるとライ麦には通常の小麦に入っているグルテンが入っていないそうで、つなぎで強力粉を入れないと、ライ麦だけでは上手く膨らまないようです。
本当はライ麦100%のパンに挑戦してみたかったのですが、今回は強力粉とライ麦粉を半々づつ使った、ライ麦粉50%のパンを焼いてみようと思います。
材料は、ライ麦パンを作ったことがないので、普通の粉(強力粉)200グラムを作る時の分量にしました。
材料は、
- ライ麦粉 100グラム
- 強力粉 100グラム
- ドライイースト 小さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 塩 小さじ2分の1
- オリーブオイル 大さじ1
- ぬるま湯 110ml
です。
砂糖の量が多いように見えますが、甘いパンを作るわけではなく、ビールと一緒でイースト菌は砂糖を食べて発酵するので、味付けというよりも発酵用です。
パン作りのコツは、いかに機嫌良くイースト菌を発酵させるかなので、冷たい水ではなく、居心地の良さそうなぬるま湯を用意します。
うっかり熱湯を入れてしまうと、イースト菌が死んでしまうので気をつけましょう。
後は用意した材料をボールに入れ、材料が生地全体に均一になるよう混ぜていきます。
最初のうちは柔らかすぎて手にくっつきやすので、お箸や木べらで混ぜ、生地がまとまってきて、手にくっつかなくなるくらいの固さまでこねます。
ここまでは普段作っている強力粉のパンと一緒のはずなのですが、ライ麦粉を50%使った生地はいくらかき混ぜてもゆるいままで、いつまで経っても手で直接こねられる状態までまとまってくれません。
調べてみると、どうやら市販のライ麦パンは使うライ麦粉が20%前後のようなので、私たちは欲張りすぎたようです・・・。
結局、上記の材料に強力粉を少し足して手でこねられる固さに調整したので、粉の比率は若干強力粉多めになってしまいました。
初めてライ麦粉をこねてみると、確かに粘り気や弾力が強力粉だけの生地に比べて弱いので、もしライ麦パンを作って生地がまとまらない時は、強力粉を足すとまとまりやすくなります。
ようやく手で触れる固さになったので、折って潰して、折って潰してを繰り返し、生地が均一になるまでよくこねます。
ライ麦パン|ふっくらパンは発酵が大事
ふっくらパンを焼くには、発酵が大事です。
元々パン好きだった私は、東京にいた頃パン屋さん主催のパン作り教室に参加したことがるのですが、教室ではあんなに簡単にふっくら焼けたのに、家に帰って自分で焼いてみるとカチカチの固いパンしか焼けませんでした。
随分失敗した後に気づいたのですが、せっかく一次発酵で膨らんだ生地を小分けにして手で丸め直していたのが原因だったようです。
と言うのも、せっかく膨らんだ生地を手で丸め直すと中の空気が抜けて縮んでしまうので、その縮んだ状態のまま焼いてしまうとカチカチパンしか焼けません。
手で丸め直してペシャンコになってしまった生地をもう一度発酵させて焼いてみたら、ようやくふっくらパンにたどり着きました。
ただ、このやり方だと2回発酵させなきゃいけなくて面倒なので、今は最初から小分けして手で丸めてから発酵させるか、焼型で焼く時は最初から焼型に生地を入れて発酵させるようにしています。
今回はグルテンフリーの全粒ライ麦を使っているので、ちゃんと発酵して膨らんでくれるか心配でしたが、型に入れて外に20分くらい放置したところ、しっかり倍くらいの大きさに膨らんでくれました。
膨らんでくれた生地を220度に温めたオーブンで22分(機種やワット数によって差が出ますので、様子を見ながら調整してください)焼いてみると、しっかりしたライ麦パンがこんがり焼けました!
焼きたてのパンは柔らかくてカットしずらいので、少し冷ましてからカットします。
外はパリッと、中はほんのり暖かくしっとりしていて、美味しそうなライ麦パンです。
そのままかじってみると、ずっしり食べ応えがあって香ばしくて美味しいです!
市販のライ麦パンはちょっと酸味を感じるのですが、酸味も感じず、普通に美味しいパンです。
後から調べてみたら、市販のライ麦パンはイースト菌ではなく、サワー種というライ麦に水を加えて発酵させた物を使うのでちょっと酸っぱくなるようです。
私たちのライ麦パンはイースト菌で発酵させたパンなので、本格的なライ麦パンではないかもしれませんが、逆に食べやすくて好きかもしれません。
先日作った梅ジャムを塗って食べてみます・・・。
うーん、合いますねー。
時間はかかったけど幸せです(笑)。
今年はパン4個分しかライ麦を作りませんでしたが、大変は大変でも、来年はもうちょっと多くライ麦を植え付けようと思います。
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