※注
家庭で作るアルコール飲料は、アルコール度数が1度未満なら問題ありません。
詳細は当ブログ記事の「手作りビールと酒税法」をご覧下さい。
ビール作りの季節と温度
もうすぐ5月、気温が20度を超えてくると手作りビールのシーズンです!
我が家で作るビールは、あらかじめ麦芽とホップがペースト状になった「手作りビールキット缶」を、20リットル前後の水で希釈し、付属のイースト菌で発酵させて作ります。
ビールの種類によってキット缶の値段も2,000円〜2,500円くらいと開きがありますが、500mlあたり50円〜60円で作れるので、我が家では市販のビールを買うことがなくなりました(笑)。
パンを作ったことがある方はご存知かもしれませんが、イースト菌には元気に発酵してくれる温度があり、私たちが愛用しているビールキットの説明書には一般に「15度〜30度」、種類によっては「18度〜28度」が推奨の発酵温度と書いてあります。
この発酵温度というのは非常に重要で、その時その時の気温、温度で発酵時間が全く変わってきます。
例えば15度以上あれば発酵はするのですが、20度を下回る日が続くと発酵に2週間以上かかる時もあれば、夏の暑い時だと3日で発酵が終わってしまうこともあります。
発酵が終わったのに高温で放置すると、発酵が進みすぎて酸っぱくなってしまうこともあるようなので、夏の暑い時期はこまめに発酵の進み具合をチェックする必要があります。
逆に冬の寒い時でもビールを作るガッツのある方は、電気毛布で包んで仕込んだりしているそうです。
ここまで読んでみて、「なんか面倒臭そうだな・・・」と思ってしまうのも当然かもしれませんが、コスト面で考えると普通にビールを買うより圧倒的にお得なので、作ってみた価値はありました。
最初にかかる費用
初期投資として、まず、手作りビールセット(キット缶1つ込み)と、ビールを入れるボトル(500mlのボトル24本入りが2セット)が必要です。
何が必要か分からないし、面倒臭がりの私たちは、ブリューランドと言う会社のビールセットを選びましたが、もし、ご自分で調べて「バラで必要な機材を揃えた方が安いなー」という場合は、もちろん安い方がいいので、全然ありです。
ん〜、今、自分のamazonの購入履歴を見ながら値段を調べていていたのですが、ちょっと問題がありますね・・・。
1つのキット缶(ビールの元)で作るビールの量は20リットルくらいなので、24本入りボトルセットが1つだと、入れられるビールが12リットルと足りません。
昨年、手作りビールセットと一緒にボトルセットを2セット買ったつもりが、1セットしか届かなかったと言うか、注文されていなかったんです。
今、試しにカートにボトルを2セット入れて値段を調べようとしたところ、
「この出品者からは、ご注文数はお一人様1点までに制限されています。この商品の他の出品者のお取り扱いについては商品詳細ページでご確認ください。」
どうやら2019年4月現在、amazonだと2セット同時に購入できないようです。
楽天とYahooでは、48本セットが用意されているので、もしボトルを購入する場合は、amazonから購入するより楽そうです。
すみません、整理します。
私たちが購入したamazonだと、手作りビールセットが11,602円、24本のボトルセットが1セット3,348円、ボトルを2セット買うとすると、合わせて18,298円です。(各消費税、送料別、2019年4月現在)
ただ、ボトルの件も含めて最善の選択ではなかったかもしれないので、楽天、Yahoo等、他と比べてみることもお勧めします。
なぜ、ここまでボトル、ボトルとしつこく書いているかと言うと、私たち最初に作った時、ボトル問題で失敗しているんです・・・。
届いたボトルが足りなかったので、足りない分を家にあった、スクリューキャップのワインの空き瓶に入れて作ったんです。
ギュッとキャップを閉めれば大丈夫と思ってやってみたのですが、ビールの炭酸が漏れてしまい、散々な結果になってしまいました・・・。
ビールを仕込む前に、「王冠」で栓をして完全に密閉出来るボトルを、ビールの容量分用意しておいた方が無難です。
一番いいのは、もし近所に親しい酒屋さんがあれば、一本あたり5円の補償金で手に入れられることもあるようなので、それが一番経済的かもしれません。
私たちは引っ越してきたばかりで、知り合いの酒屋さんがまだなかったのが残念ですが・・・。
ビールセットは灯油タンクのような形のものもあったのですが、このポリバケツみたいな形のまるい方が洗うのが楽だと思ったので、こちらを購入しました。
最初に揃えるものさえ揃えてしまえば、後はキット缶(ビールの元)が2,000円くらいからあるので、砂糖代と、王冠がなくなれば王冠代が別にかかりますが、2,000円でビール20リットルと考えると、500mlのビールが50円〜60円で作れます。
悪い話ではないですよね(笑)。
砂糖とアルコール度数
私たちも自分でビールを作ってみるまで知りませんでしたが、ビールのアルコール度数を決めるのは入れる砂糖の分量で決まるし、「シュワー」っと出る炭酸も砂糖で発生します。
手作りビールセットを購入するとA4の紙に印刷された、4ページほどのペラペラのマニュアルが付いてくるのですが、砂糖の分量は次のように書いてあります。
- ライト→23L仕込み キット1缶+砂糖1000g
- ミディアム→19L仕込み キット1缶+砂糖800g
- フルボディ→17L仕込み キット1缶+砂糖600g
そして、
「本マニュアルより5〜6倍に希釈」
と書いてあります。
恐らく販売側も、アルコール度数を決めてしまうデリケートな部分なので、あえて曖昧にしているのでしょう。
私たちも、当然砂糖の量を調整してアルコール度数1度未満で作っていますが、「私たちの計算だと、砂糖何グラムだと1度未満ですよ」と、言い切ってしまうのは怖いので、もし手作りビールを作る場合は、ご自分で計算して頂ければ幸いです。
さて、ビール仕込みには「一次発酵」と「二次発酵」の2段階があるので、それぞれ解説していきます。
一次発酵
私たちはエールタイプという、茶色いビールばかり作ってきたのですが、先日、小田原の魚國商店の店頭で、久しぶりに飲んだエビスビールがあんまり美味しかったので、初めてドラフトタイプのビールを作ることにしました。
選んだビールはオーストラリアの「モーガンズ ストックマンズ ドラフト」という銘柄です。
「エビスビールはドラフトじゃないんじゃないの?」とかは突っ込まないでください(笑)。
これから暑くなるし、あっさり飲みたかったので、一番軽い「ライト」(23L仕込み)で仕込んでみます。
キット缶のプラスチックの蓋を開けると、銀色の小袋に入ったイースト菌が入っていて、缶を開けるとドロッとしたビールの元が入っています。
このビールの元はハチミツ並みに粘度が強く、普通に水に入れても綺麗に溶けてくれませんので、2リットルのお湯を沸かし、沸いたら火を止めてビールの元を入れよく攪拌し、砂糖を適量入れます。まだイースト菌は入れません。
イースト菌は砂糖を食べて発酵するのですが、ここで入れた砂糖の分量でアルコール度数が決まります。
ここで注意です!
この段階でイースト菌を入れると、温度が高すぎてイースト菌が死滅してしまうので気をつけてください。
イースト菌は35度〜40度くらいで死に始め、50度くらいで死滅してしまうと言われています。
イースト菌を入れるのはこの後です。
お湯が2リットル、ビールの元が約1リットルで、合わせて約3リットル。
今回は23リットル仕込みのライトなので、しっかりとアルコールで除菌した後、発酵容器に3リットル分差し引いた水、20リットルを入れていきます。
最初の頃は気合を入れて、外の美味しい湧き水を汲みに行ったり、竹墨を入れてみたり水にもこだわっていましたが、今では水道水をそのまま使っています。
秦野の水道水が美味しいのもあるかもしれませんが、水道水でも風味は正直変わりませんでした。
何より楽です(笑)。
お湯でしっかりビールの元と砂糖を攪拌したら、熱いうちに発酵容器の水と合わせ、よく混ぜて、温度が落ち着いたところでイースト菌を入れます。
今回私たちは30度くらいで入れました。
イースト菌を入れてかき混ぜていると、麦芽とイーストでパン種のような独特の発酵臭がしてきます。
この辺は発酵食品の味噌造りと似てますね(笑)。
これで一次発酵の準備は終わりで、後は発酵が終わるまで寝かせるだけです。
暖かい天気が続いたこともあり、今回は大体22度〜24度くらいで発酵できたので、1週間くらいで一次発酵が終了しました。
さて、ここでもう1つ注意点です!
この準備が終わった発酵容器、非常に重いです。少なく見積もっても23キロ以上はあります。
もし女性が1人で作る場合は持ち上げるのが非常に辛い重さなので、あらかじめ中身が空のうちに発酵容器を置く場所を決めておいて、ちょっと面倒でも鍋で小分けして20リットル水を入れ、極力、発酵容器を移動しない方が安全です。
万が一発酵容器がパンパンの状態で容器を移動する時は、蓋をちゃんと閉めた状態で持ち上げないと、容器が中身の重さでひしゃげて大事なビールをこぼしてしまうし、何よりバランスを崩して転んでしまったり、足に落としてしまったら危ないです。
是非、蓋がちゃんと閉まっているか確認してから移動してください。
イースト菌を入れる時も、発酵中の温度も発酵容器に貼った温度計で確認します。
毎朝、楽しみにしてビールの発酵具合を確認するのですが、発酵中はイースト菌が元気で表面に泡がブクブク浮かんでシュワシュワしています。
最初は蓋が発酵中に発生するガスで膨れます。
しばらく日にちが経つと表面の泡がなくなり、シュワシュワだけになります。
蓋が膨らまなくなり、シュワシュワがなくなった頃、比重計をビールに浮かべて発酵具合を調べます。
比重計の詳細は写真を(タップすると拡大します)参考にして頂きたいのですが、約30センチくらいの温度計というか、釣りをするときの「浮き」のようなものです。
この比重計が「BEER」という緑の部分まで沈んでくれたら一次発酵終了です。
発酵時間は、その時の温度、気温でまちまちで、今回私たちは1週間くらいでしたが、温度が低ければ2週間以上かかる時もあるし、夏の暑い時は3日くらいで終わる時もあります。
私たちの経験では、発酵時間が長くても短くても風味に変わりはありませんでした。
ここで再確認ですが、夏の暑い時に発酵した後に放置しておくと、発酵しすぎて酸っぱくなってしまうらしいので気をつけましょう。
二次発酵
一時発酵がアルコールを作る作業とすれば、二次発酵はシュワーとなる炭酸ガスを作る作業です。
まずは発酵食品の基本、ボトルを消毒して砂糖をボトルに小さじ1杯分くらい入れていきます。
ここで入れる砂糖が炭酸ガスの元になります。
砂糖を入れたら、ボトルに一時発酵後のビールを詰めて、ガチャコン、ガチャコンと打栓機で王冠の栓をしていきます。
王冠をはめていく作業は割と楽しいです(笑)。
どんどん詰めていくと、発酵容器のその方にネットリとしたビール粕が溜まっています。
このビール粕でパンを作れるとテレビでやっていたので、試しにフライパンで作ってみたのですが、私たちの作り方がまずかったのか、苦かったですねー(笑)。
おすすめできるかは微妙なところです・・・。
茶色いボトルに入れてしまうと、二次発酵の確認が出来ないので、ペットボトルにも同じ様に砂糖を入れてビールを詰めておきます。
私たちの経験だと、二次発酵の時間はいつも2週間くらいでしょうか。
ペットボトルが炭酸ガスで膨れたらビールの完成です!
今回は初ガツオと一緒に頂きました。
冷凍ものじゃなく、冷蔵物が出てくるのを待っていたんです(笑)。
初めて作ったドラフトビールですが、今までのエールと比べてサッパリして飲みやすいですねー。
すぐなくなってしまいそうです(笑)
手作りビール、要はビールの元をお湯でといて水に入れ、発酵させるだけなので、多少時間はかかるものの、そんなに難しくはありません。
気をつけるところは、一度に作る量が大量で容器が重たいので、容器を動かす時に注意するくらいでしょうか。
市販のビールより美味しいとまでは言いませんが、少なくとも負けないビールを500mlボトル50円前後で作れるのは、なかなか魅力的です。
今年の夏も暑くなりそうなので、我が家のビール作りが増えそうです(笑)。
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