9月に入った途端、気温が5度くらい下がり、遠くの方のセミの細い鳴き声が夏の残り香を感じさせます。
私たち、元々ゴーヤは好きなのですが、毎日食べるほどでもなく、今年のグリーンカーテン用の候補には上がっていたものの、二人で食べきる自信がなく、結局自家栽培を諦めました。
春から秋にかけて気温が暖かい間、野菜クズを台所のゴミ箱に捨てるとコバエが湧いて困るものです。
我が家でも引っ越してきたばかりの頃はコバエに悩まされて、ドクダミを摘んできて台所に活けてみたり色々対策してみたのですが、あまり効果がなく、そもそも野菜クズが家の中になければいいのではと、庭の片隅にコンポストするようになりました。
コバエのエサを絶ったので、今でも出ることはでますが、そんなにコバエで悩まされることはなくなりました。
先日、コンポストから奇妙なツルが伸びて柔らかいモミジのような葉っぱの間に、小さいゴーヤのような実を発見しました。
スーパーで購入したゴーヤのタネから生えてきたようです。
おそらく市販のゴーヤなのでF1種だろうし、そんなに期待しないで観察していましたが、その後少しずつ大きくなり、なんとなく食べられる大きさまで成長しました。
その後味をしめ、スーパーでゴーヤを購入するたびにタネを植えてみましたが、一向に芽がでる気配はありません。
ゴーヤ、キュウリ、カボチャ等のウリ科の作物は、カラシナや小松菜の様なアブラナ科の作物と違ってタネが弾け飛ぶタイプではなく、実ごと地面に落ちて、ゆっくり実が分解されながらタネが根付くので、何の欲もなくワタごと適当に捨てたゴーヤのタネが、たまたま発芽の環境に適していたのかもしれません。
庭にできたゴーヤの実を観察していると、小さい頃は表面がゴムの様な質感でツヤがありませんでしたが、大きくなってくるとツヤが出始め、いわゆるスーパーで売っている完成形のゴーヤに近い質感になります。
ただ、見た目はゴーヤでも、F1種だった場合は中にタネができないはずなので、はたして今回のゴーヤの場合はどうなんだろうと、手頃な大きさのゴーヤを収穫して割ってみると・・・、
ちゃんとワタもあるし、タネもありました!
以前、同じ様にコンポストしたF1種のバターナッツが芽を出し、収穫まで出来たものの割ってみるとタネがあるべき場所はただの空洞で、タネがありませんでした。
今回のゴーヤも今まで見たことのないタネなしゴーヤかもと思っていましたが、ちゃんとタネがあったので、固定種のゴーヤだったのかもしれません。
この辺はちょっと驚きというか、品質を揃えるのが難しい固定種でも、ゴーヤの場合はスーパーに並べられるレベルで育てられるという、非常に強く育てやすい作物なのかもしれません。
さてさて、味の方はどうなのでしょう。
今まで加熱したゴーヤチャンプルーしか食べたことがなく、いわゆる採れたてのゴーヤを生で食べたことがありません。
元々ゴーヤは生でも食べられる野菜ですが、トレトレのゴーヤはどんな感じでしょうか?
ゴーヤのサラダを作ってみる
材料としては、
- 小ぶりのゴーヤ2個
- 塩少々(塩もみ用)
- 鰹節ひとつかみ
- お醤油大さじ1
- ごま油小さじ1
です。
採れたてのゴーヤの実力を試したかったので、通常のドレッシングの様に砂糖や胡椒は入れずに、味付けはお醤油とごま油だけにしてみました。
歯ごたえを楽しみたかったので、ゴーヤはやや厚めの薄切りにし、塩もみにして流水で流してアクを取ります。
小ぶりながらもとくに柔らかいということもなく、ここまではスーパーで買ってきた普通のゴーヤの感覚と一緒です。
ボールに鰹節をひとつかみ入れ、お醤油大さじ1、ごま油小さじ1、下ごしらえをしたゴーヤを和えれば即席ゴーヤサラダの完成です。
さて、採れたてのゴーヤ、苦味はどうでしょうか・・・、
うん、まず歯ごたえがいいです。
キュウリの浅漬けほど嚙み切れるシャキシャキ感ではないのですが、ちょっとしなっこいショリショリ感というか、なんかこう、しっかりした生野菜を食べているという満足感のある歯ごたえです。
採れたてとは言え枝豆の様な甘さは感じませんが、苦味も程よいというか、ご飯の箸休めになるくらい普通に食べられる苦味です。
塩もみしたおかげか変な青臭さもなく食べやすいです。
スーパーで買ったゴーヤでサラダを作ったことがないので比べられませんが、普通に美味しくて夏にあったら重宝しそうです。
最近夏になるとシシトウや万願寺トウガラシ等々、ちょっと苦いピーマン系の野菜が食べたくなるのですが、そういう意味でもすぐに作れるし、夏にピッタリの一品かもしれません。
ゴーヤのタネ採り
私、ゴーヤの一生というのを見たことがありませんでしたが、先日ゴーヤが弾けました。
ゴーヤって完熟すると弾けるんですね。
もっと大きくなったら収穫しようと思っていた小さい実だったので、ビックリしました。
もしかしたら実の大小ではなく、夏が終わりつつある季節的なもので弾けたのかもしれません。
何かこう寄生獣というか、エイリアンの様な感じに弾けて中に赤いタネが見えています。
「ゴーヤのタネって赤いんだ・・・」
と、弾けた実から種取りしてみると、赤い部分はどうやらタネを保護している膜の様で、食べてみるとちょっと甘いです。
もしかしたら赤く目立つ様に甘くして、鳥や動物に食べてもらって他の土地にタネを蒔いてもらう植物の知恵の様なものかもしれません。
ちょっと赤い部分をかじりつつ、水洗いして赤い部分を取り、中から出てきた茶色いタネを干してみました。
割と大粒のしっかりしたタネです。
来年、今年生えてきた同じ場所に植えてみようと思います。
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